デジタルピヴォ! プラス

試合が読めなかった日本(日本代表スペイン遠征・ルーゴ戦マッチレポート)(2014/4/7)

image星翔太、森岡薫、逸見勝利ラファエルがいない日本の攻撃を牽引した仁部屋和弘。ドリブルで“違い”をつくれるアタッカー。その才能がブレイクし、常に安定したパフォーマンスを発揮できれば、すぐさま日本のエースとなるに違いない。このゲーム、両軍の中で最も輝いていた選手だった。

まとめ◆座間健司

前半だけを見ると0-2、後半だけを見ると4-1。日本は前半は完勝し、後半は完敗だった。スコアボードがこの日のゲームを雄弁に物語っていた。

▼対戦相手アスカル ルーゴとは?

スペイン遠征中の日本は6日にスペインリーグ1部のアスカル ルーゴと対戦。ルーゴはスペインリーグ1部の常連。かつてはブラジル代表フェルナンジーニョ、元スペイン代表マルセロらが所属していたが、今は国内の経済危機の状況を受け、メンバーの中に優秀な外国人選手はいない。かつて木暮賢一郎と共にカルニセールでプレーしたクコら経験のある選手がいるだけで、若い選手ばかりだ。日本戦でキャプテンを務めたアントニオ ディズは22歳。レフティーのピヴォとして将来有望な選手だ。また彼の弟のアレハンドロ ディズは19歳で今やルーゴで欠かせない戦力となっている。ルーゴはスペイン随一の下部組織を持っており、優秀な選手を輩出することで知られている。ディズ兄弟も幼少からずっとルーゴでプレーしている。今ルーゴのトップチームの若手選手はほとんどが下部組織出身だ。

ルーゴは今シーズン、ここまで25試合で6勝4分け15敗、得点66失点103で11位。スペインリーグは最下位の15位が自動降格となる。現在最下位のカナリアは勝点8しか手にしておらず、わずかに28、29、30節を残すリーグにおいてルーゴは1部残留を達成。一方、彼らは上位8チームが進出するプレーオフ進出の可能性もない。ルーゴは1部残留が目的のチームで、その目標はすでに果たしていた。

image内村俊太がドリブルで相手を抜き去ろうとする。ドリブルで積極的に仕掛けていた。ミゲル ロドリゴ監督が選出した選手は内村、西谷良介、中村友亮らドリブルを得意とする選手が多く、魅力的だ。

▼完璧だった前半の日本

戦績が示すように今シーズンのスペインリーグにおいてルーゴは決して強豪とはいえない。ルーゴは15チームで行われているリーグで今節は試合がなく、ゆえに日本と日曜日である6日に試合を行った。ルーゴの選手はフレッシュな状態なはずだったが、日本とのゲームは公式戦でもないので気が抜けていたのかもしれない。彼らは明らかに試合に入り込んでいなかった。

前半は日本が圧倒する。試合開始直後からこの日先発で起用された仁部屋、渡邊、西谷、滝田が次々とゴールに迫る。キックオフから仁部屋が相手を抜き去り、シュート。日本はディフェンスラインを自陣からに設定していたが、相手が少しでもゴールに背を向けてボールをキープしようとするとすぐさまラインを上げ、積極的に前線からプレスを仕掛けていた。プレスがかかり、ルーゴは思わずボールを外に出さなければいけない場面が2度あった。稲葉、小曽戸、佐藤、皆本にセットが替わっても日本の勢いは増すばかりだった。

(残り 3672文字/全文: 4954文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ