成熟と経験が比例していない(日本代表スペイン遠征・サンティアゴ戦マッチレポート)(2014/4/21)
この日先制点を決めた日本代表の中村友亮。ディフェンスラインの裏に抜け出し、相手ゴレイロとの1対1を冷静に決めた。
日本代表は3月26日から4月11日までスペイン遠征を行った。4月30日からベトナムで開催されるアジア選手権に向けてスペインのクラブチームとトレーニングマッチをこなし、チーム力のアップを図ったのだ。
まとめ◆座間健司
サンティアゴ戦に挑んだ日本代表。吉川智貴、内村俊太、西谷良介はウォームアップもせず、ベンチで観戦していた。
スペイン遠征のトレーニングマッチの結果は以下のとおり。
3月31日 セゴビア フットサル(2部) 3-4 日本
4月1日 ブリウエガ(2部) 1-2 日本
4月2日 マグナ ナバーラ(1部) 1-0 日本
4月6日 アスカル ルーゴ(1部) 4-3 日本
4月7日 サンティアゴ フットサル(1部) 4-1 日本
4月9日 インテル モビスター(1部) 3-3 日本
日本は2勝1分け3敗という結果で遠征を終えた。ただ上記の結果からも分かるように1部のチームに対しては1勝もしていない。筆者はルーゴ戦、サンティアゴ戦を取材したが両ゲームとも相手がトップギアを入れたときに日本は立て続けに失点を重ねていた。引き分けたインテル戦にしてもインテルはポルトガル代表のリカルジーニョ、ブラジル代表のラファエルらが欠場していた。
スペイン代表が欧州選手権やワールドカップ前にクラブチームとトレーニングマッチをして引き分けるなど、もともとクラブチームと代表チームの実力を比べるのは難しい。トレーニングマッチの舞台しか彼らは相まみえないからだ。公式戦ではないので、この結果を受けてそのまま判断してしまうと両者の距離を見誤る可能性もある。
ただ日本代表はスペインのトップカテゴリーに属する1部のチームと4試合をして1分け3敗だった。1部リーグとはまだどう背伸びをしても埋まらない実力差があることはこの結果からも明らかだ。
とはいってもこの結果はアジア選手権に向けてポジティブなものだ。なぜなら日本が挑むアジア選手権でスペイン1部のクラブと同等の力を持つのはイランくらいしか見当たらないからだ。日本はアジア最大のライバルにどのようにして勝てばいいのか。そんな手がかりを見つけられた遠征だったのではないだろうか。
▼対戦相手のサンティアゴとは?
日本は4月7日にサンティアゴ フットサルと対戦した。サンティアゴ フットサルはスペインリーグの強豪チームで今シーズンは上位8チームに与えられるプレーオフ出場権を争っている。過去には現スペイン代表監督ベナンシオが率い、彼が在任当時に現在スペインでも随一の下部組織といわれるクラブの組織を整えた。元ブラジル代表ベットン、カルリーニョス、元スペイン代表のアレマオらが所属し、2005-2006シーズンにはスペインカップを制覇した実績のあるクラブだ。今は予算規模を縮小し、かつてような豪華な陣容ではないが、常に上位に顔を出すチームであることは変わりない。今シーズンはスペイン代表ゴレイロのファンフォ、同代表のキンテラを擁し、その脇をベテランでキャプテンのダビ、元エルポソのバロッソら経験のあるベテランと地元出身の若手選手が固める。日本代表とのゲームではキンテラ、バロッソ、ダビは欠場。ファンフォは先発で出場した。
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