[無料記事/DUELO Pivo! Jr.Champion’s Cup 2015 予選グループA、B総括]スフィーダ、FC canoが準決勝進出(2015/8/24)
大会名:DUELO Pivo! Jr.Champion’s Cup 2015 決勝大会
開催日:2015年8月21日(金) 会場:フットサルステージ(東京)
◎特別協賛:フットボールブランドDUELO(株式会社ジェイロック) http://www.duelo.jp/
◎主催:デジタルピヴォ! http://pivo.co.jp/
▪️大会結果表
厳しい予選大会を勝ち抜いてこの場に立ったチームが、各グループで1つしかない決勝トーナメントへの椅子を争ってしれつな戦いを繰り広げた。主だったチームを中心に予選リーグ・グループA、Bと準決勝の戦いを振り返る。
まとめ◆デジタルピヴォ! 山下
▪️マッチレポート
ロンドリーナ、ピヴォチャンW優勝の夢消える
グループAの顔ぶれは以下のとおり。
P.S.T.C.LONDRINA(ZUCC FUTSAL BASE 大井予選優勝チーム)。
FC桜丘(大会事務局推薦チーム/エフネットフットサルクラブ東川口予選準優勝)。
町田大蔵FC(グリーンヒルズ緑山フットサルパーク推薦チーム)。
この中で僕が個人的に注目したのがP.S.T.C.LONDRINA(以下、ロンドリーナ)。ご存知、Fリーグ・湘南ベルマーレのサテライトのJr.チームだ。
本大会は、“民間最強大会“の呼び声が高いピヴォチャン(正式名称「Pivo! Champion’s Cup」)のJr.版であり、5月に行われた今季のシニア版全国大会で優勝したのが、ほかでもない、ロンドリーナだった。それ故に、このJr.版でロンドリーナが優勝すると、兄弟チームによる“ピヴォチャンW優勝”という史上初の快挙達成となるのだ。監督役を務めた政野屋佑樹くんをはじめ知り合いが多くいるチームだけに夢が実現してほしいと正直、心の中で念じていた。特にZUCC大井予選でバーモントカップに神奈川県代表として出場が決まっていたFCパーシモンを破ってこの場に立った。それだけに実力は十分。かくして僕の思いは膨らんだ。しかし、終わってみれば1勝2分けの2位で予選敗退。夢はかなわなかった。
スフィーダとFC桜丘が1位争い
JFAアカデミーのセレクションと日程がかぶったことから主力2人が欠けた状態で予選に臨んだロンドリーナはFC桜丘(2-2)、スフィーダ(1-1)と2試合連続で引き分けた。特にスフィーダ戦は「残りワンプレーまで1-0とリード」(政野屋監督)していながら勝ち切れなかった。それでも随所でフットサルを熟知したチームならではの戦術を披露した。桜丘相手の初戦では相手のファールでハーフウェーライン上からの間接フリーキックを得るとすかさずゴレイロが上がりパワープレーを開始。ゴレイロ自らのシュートこそ枠を外れたが、この年代としてはびっくりするくらいフッサルに精通しているところを見せつけた。
そのロンドリーナの予選初勝利は最後の町田大蔵FC戦(4-0)。このとき隣りのコートでは1勝1分け同士のFC桜丘とスフィーダが対決。勝ったほうが2勝1分けで1位抜けが確定するが、同時にこの2チームがこの成績で対決した時点でロンドリーナの予選敗退が決まった。両者は一歩も引かず0-0で後半へと折り返すとスフィーダが先制点をゲット。桜丘も1-1とし同点に追い付くが結局、総合力で勝るスフィーダが3-1で勝ち準決勝進出を決めた。
FC canoが余裕の1位抜け
続いてグループB。顔ぶれは以下のとおり。
FC cano(エフネットフットサルクラブ東川口予選優勝チーム)。
中根FC(sfida sports park龍ヶ崎予選優勝チーム)。
グループB1位を決める戦い、FC cano vs. ステージファイブ。
股抜きを意味するスペイン語「カーニョ」をチーム名に冠するFC canoは、エフネット東川口予選で実力を遺憾なく発揮し、この時点で早くも今大会優勝候補の筆頭に位置づけられた。試合に負けると罰ゲームの走り込みが待ってるというcanoの選手たちはそれ故に本番中に相手にカウンターを食う苦しい場面でも罰走よりは楽ととにかくよく走る。走ってボールを奪ってカウンターのカウンターからゴールを奪う。相手にとっては手のつけようのないチームだ。
そのcanoが順当に2戦2勝して迎えた第3試合、相手は、こちらも2戦2勝のステージファイブ。会場のフットサルステージで行われているFリーグ・ペスカドーラ町田のスクール生選抜チームだ。実力こそ未知数だが、ただ、ぜいたくなのはコーチングスタッフ。なにしろ、監督がペスカドーラのアシスタントコーチ、同アスピランチ(サテライト)監督、そしてJr.スクールコーチを兼任する小川亮さん。そのうえこの日はペスカドーラのトップチームの岡山孝介監督が見学かたがたアドバイスに来ていた。最強の指導スタッフのもととはいえヘラクレス大磯、中根FCに勝利したのは正直驚いた。そして迎えた最終戦、勝ったほうが準決勝進出という流れだったが、canoの前に0-4で敗退。小川監督は試合を振り返ってこう語った。
「止める蹴るのスキルが相手が一枚も二枚も上でした。球際も強かったです。うちの子は1対1に自信を持ってますが、その部分でも遅れをとりました。スクール生の選抜チームですからチームとして練習してないところの限界を感じました。
スクールではドリブルからマークをはがすところとか個人戦術を指導していますが、そこは今日の最初の2試合ではある程度表現できたと思いますが、cano戦は、仕掛ける前に守備を固められ、奪われては裏を取られの連続でした。スピードのある、すごいチームですね」
一方、ステージファイブに完勝し準決勝進出を決めたcanoの菊池一典監督は試合直後に、僕にこうつぶやいた。
「マルバ、エスタジオ、それに夏祭り、強いですね」
予選を戦いながらその先の戦況をにらんでいたのだった。
準決勝第1試合はスフィーダ vs. FC cano
かくしてグループAの戦いが終わり、親善試合を挟んで準決勝第1試合、スフィーダ vs. FC canoが行われ、canoが2-1で勝利し決勝進出を決めた。敗れたスフィーダの鈴木直樹監督が悔しさをにじませて語った。
「うまかったです、でも、それほどの差はなかったかなという印象です。サッカーをやっていくには難しい小さい選手たちが活躍する場をという思いでフットサルをやってきましたし、エイトもヘドンドも教えてきました。子供たちがもう一歩届かなかったのは、その一環として指導してきたフィクソが預けて抜ける動きのところで、メンタルの弱さが出てしまったのかなと思います。あそこで自信を持って仕掛けられれば結果は違ったのかなと思います。この結果は残念だし、悔しいです」
大会を機に選手は、また新たな目標を見出し、それをモチベーションに苦しい練習に取り組むのだろう。そしてその先に、一段成長した自分を発見するに違いない。