[Fリーグ第28節]ペスカドーラ町田をプレーオフへと導いた篠崎隆樹の一撃!(2015/11/19)
後半18分過ぎ、篠崎がディフェンスのズレを見逃さず左足を振り切った。
SuperSports XEBIO Fリーグ2015/2016 第28節
ペスカドーラ町田 2-1 アグレミーナ浜松
2015/11/07(土) 町田市立総合体育館 観客数:1,531人
[得点経過]
1-0 09分30秒 町田 9 横江怜
1-1 26分09秒 浜松 15 野嶋倫
2-1 38分10秒 町田 16 篠崎隆樹
因縁の相手・浜松に薄氷の勝利
重苦しい空気が町田のホームアリーナを包んでいた。前半9分に相手のファールで得た町田のフリーキックは浜松ゴールほぼ正面12m。キッカー横江の右足が放ったシュートは壁の右を突いて見事にゴールネットを揺らした。「コースが見えた」と横江。町田の先制だ。しかし、その後両チームともゴールを決められないまま前半を終了。後半6分過ぎにようやくこの試合2点目が入る。決めたのは浜松の野嶋。スコアは1-1。試合はこの後再びこう着状態に入り、1,500人を超える観客をやきもきさせた。そんな中、町田の岡山監督がパワープレーを意識しだした矢先の16分42秒、浜松の松浦がこの日2枚目のイエローで退場。18分42秒までに町田がゴールを決めなければ、4対3(FPの数)の数的有利な状況が、2分間、町田にもたらされる。町田は甲斐、金山、横江、そして篠崎の4人が浜松を攻め立てた。そして…。
町田にとって浜松は、2シーズン前の最終節に敗れ、目の前のプレーオフを逃した因縁の相手だ。しかも今季の浜松は4勝のうち2勝を第3クールにあげている。破った相手は浦安と北海道。しかもいずれも1点差で勝ち切っている。この結果からも分かるとおり確実に調子を上げてきている、この時期としては極めてやっかいなチームだ。退場者が出るという突発事故がなかったら、“失うもののない”浜松は後半終盤にパワープレーに出ていた可能性大だし、そうなれば、ここ2年連続でシーズン終盤に崩れている町田に三たび、悲劇が襲うことになりかねなかった。そんな危機的状況を文字どおり打破したのが篠崎の一撃だった。このゴールが町田のメンタルの崩壊を食い止めた奇跡のゴールだと僕は本気で思っている。この勝利が引き金になって町田が初のプレーオフ進出をすんなり決めるのだが、それはもっと先の話になる。前振りが長くなったが、以上を踏まえ、ここからは篠崎の臨場感あふれるコメントに耳を傾けてほしい。
まとめ◆デジタルピヴォ! 山下
トップに掲載した写真に続くシーンがこれ。篠崎のシュートがGK岩﨑をかわしゴールへ突き刺さった。浜松の同点ゴールから12分後といいう、長いこう着状態を打破するゴールであり、数的有利の2分間が終わる32秒前のことだった。
レオとの暗黙の了解のもとに
ダイレクトでディフェンスを揺さぶる
Pivo! 何はともあれ、後半残り2分を切ったところで決めた、あの決勝ゴールから話を聞かせてほしい。相手の9番松浦が金山を倒して2枚目のイエローで退場。ひとり少なくなった浜松をゴール前に押し込んでおいて決めたゴール。見ていてなるほどと思ったのは、左の横江と何度もダイレクトのパス交換を繰り返し、相手の守備のズレを突くプレー。まさに頭脳プレーだった。
篠崎 基本的には多分、ボール止めて、ちょっと探ってっていうのがあると思うんですけど、相手の前の選手を見たときに、結構追えてなかったので。ダイレクト入れたらもうちょっと動くかなっていうので、わざと(横江)レオから来たのをダイレクトで返してたんですけど。ま、逆にそれだけ揺さぶれれば多分オレとレオのどっちかから撃てるかなというのがあって。レオもフリーで2本くらい撃ててるので。どちらにしてもチャンスはあるかなと思ってました。
Pivo! なるほど、目の前の相手がついてこれていないと見抜いて、そこを揺さぶるためのダイレクトパス交換だったと。
篠崎 そうです。揺さぶって揺さぶって止めると多分、食いにくるので、次飛ばしたときにはチャンスになるっていうのがあったと思ったので。
(残り 3077文字/全文: 4823文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ