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[全日本選手権大会決勝]ぺスカドーラ町田・金山友紀選手「いつもの強い名古屋を出させないように心掛けました」(2016/3/15)

 

第21回全日本フットサル選手権大会・決勝
ぺスカドーラ町田 5-3 名古屋オーシャンズ
2016年3月13日(日) 国立代々木競技場第一体育館 観客数:3,604人

[得点経過]
1-0 7分 町田 9 横江怜
1-1 9分 名古屋 10 シンビーニャ
1-2 10分 名古屋 10 シンビーニャ
2-2 17分 町田 16 篠崎隆樹
2-3 17分 名古屋 3 北原亘
3-3 20分 町田 オウンゴール
4-3 24分 町田 7 金山友紀
5-3 33分 町田 10 ボラ

 


第21回全日本フットサル選手権大会で優勝を果たしたぺスカドーラ町田、大会MVPの金山友紀選手は記者会見後も当サイトのインタビューに応じてくれた。

 


金山は準々決勝(初戦)で2ゴール、決勝でもゴールを決めた。後半早々4分に再び名古屋に勝ち越す貴重な1点であった。

 

大会MVPに選ばれたのは攻守ともに結果を出し、気持ちのこもったプレイでチームを鼓舞したところも大きかったのではないかと思われる。
金山友紀は甲斐修侍(クラブの代表であり選手)に次ぐ38歳という年齢でありながら、今シーズンはフットサル日本代表の滝田学、中井健介、原辰介と共に1stセットで試合に出場することが多く、パワープレイ時のメンバーに入っていることも多かった。文字どおりチームの中心であった。ゴールに関してもリーグではボラに次ぐチーム2位の15ゴールを決め、オーシャンカップでもゴールを量産した(3日間で6ゴール、毎試合2ゴール)。チームの結果こそ出なかったプレーオフでも2試合で3ゴール、リーグ第32節で名古屋オーシャンズに2-1で勝利をしたときも勝ち越しゴールを決めたのは金山であった。

そうはいっても、もちろんこの試合を決めたのは選手14名、監督、スタッフ、スポンサー、サポーター、ファン、町田市民等を含めた全員の力であった。
先制点の滝田のコース、スピード共に完璧な質のコーナーキックからの横江の左ボレーから始まり、横江のシュートを篠崎が詰めて同点で前半を折り返した。金山とはCASCAVEL時代から一緒にプレイをしている森谷の2アシスト(4点目と5点目)の活躍に、退団が決まっているボラの2ゴール(公式記録は1つはオウンゴール)の活躍もあった。

 


これは名古屋を2点差に引き離した5点目。森谷がゴール前への絶妙のパスからボラがボラらしく柔らかいタッチでゴールを決める。

 

もう1つのポイントは集中した守備であった。プレーオフでの悔しい気持ちからの2カ月間の質の高い練習と気持ちの整理・リフレッシュ。2カ月間公式戦がなかったものの、質の高い練習で守備の引き出しを広げ、かつ、チームの底上げに成功をし、フウガドールすみだと府中アスレティックFCがどのようなやり方をしてきても大丈夫という自信を持って、自分たちのフットサルをして、決勝を迎えることができたようである。
リーグ第32節では名古屋はベストメンバー、ベストコンディションではなかったものの、集中した守備をしていた。リーグ2位という結果だけではなく、リーグでの成功経験の積み重ねも大きかったともいえるであろう。

 


決勝での名古屋オーシャンズは前日に延長戦を戦ったとはいえ、まぎれもなく強い名古屋であった。その名古屋に町田は真向勝負を挑んだ。大会3日間ハードワークをし、遂に町田は名古屋をやぶり、全日本選手権優勝というぺスカドーラ町田としてはじめてのタイトルを手にすることとなる。

まとめ◆デジタルピヴォ! 古澤学

 

 

以下は金山友紀選手のインタビューとなる。


金山が決めた4ゴール目(勝ち越しゴール)はイゴールのパンチングから金山が自陣右サイドでボールを拾い、逆サイドの森谷へパス。金山は最初の動きとして森谷と平行に抜けて行く。森谷は左サイドのゴール前コーナー近くのタッチライン沿いまで長くボールを運び、シンビーニャをダブルタッチで鮮やかにかわし、中へカットインした後にゴール前に詰めていた金山にシュートパスをする。

 

 

Pivo!:4点目のゴールの振り返りをお願いします。
金山:1個前でもらおうとしていたら、森谷がさらにもう1つボールを運んだので、対角線に動き直しをしました。森谷はオレの動きを見ていて出してくれました。ボールはほぼゴールに入っていたのでほとんど森谷のゴールです。ただ、ファーに入り、そこにいることで森谷を助けていますし、森谷はシュートではなく、オレを選択してくれました。腰をひねってファーに出せばオレが詰めてくれるという思いで出してくれているので相手のゴレイロを迷わすことをできました。自分としてはあそこに入ることが仕事だと思っていますし、初戦の中井からの折り返しを中で合わせたときのように、相手の嫌なところにどれだけいられるかが勝負だと思っています。森谷とは長いですし、森谷を生かすためにも自分が生きるためにもいつも高い要求をしています。
Pivo!:リーグ戦(第32節)で名古屋に勝利をおさめました。そのときは代表明けというのもあり、主力がいなかった状況でした。今大会は名古屋は前日延長戦という状況でもありましたが、今日の名古屋はいつもの強い名古屋でしたか? 見ている限りではそう見えましたが、体感としては?
金山:いつもの名古屋の圧力、強さを感じました。そのいつもの名古屋にさせないように自分たちは心掛けました。自分たちは今日勝ちましたが、点を入れても返されて、逆転されたりと、スイッチを入れ、ギアを上げてきました。それはシーズンを通して名古屋にはあって、そこが名古屋の強さです。シーソーゲームを繰り返したという部分で、いつもの強い名古屋を出させないところが勝利につながるのだと思いました。もちろんいつもの名古屋の時間帯もありました。こじ開けて来る。パワーでねじ伏せて来るなど。前半の最後に追いつけたのと後半最初にうちが先に点を獲れたことで名古屋のペースを乱せたというところはあると思います。それから、いつも名古屋は同点にして、逆転をした後に、畳み込むという形ですが、今日はそこをさせなかったです。1点差、2点差と離されていかない。そういうのはキーポイントになりました。また、名古屋は本当に体が強いですから、球際で負けない気持ちと同時に素早いアタック、切り替えの部分であったり、セットプレイと町田のストロングポイントを出しつつ、名古屋に負けないところも出していく。名古屋は個に強い部分もあるのでチーム力でカバーするのを意識して、そこを一番大事にしていました。強い選手がボールを持ったとき、1対1の町田の1の選手に任すだけではなく、全員でサポートする守り方でした。
Pivo!:名古屋戦だけではなく、大会を通して、1対1で負けないように集中している印象でした。
金山:この3日間通して、町田のディフェンスは誰1人として手を抜いていないですし、集中していたと思いますし、それが持続できていました。

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