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[ ゼビオ関東女子Fリーグ2016 第2節 ]昨季女王SAICOLOが登場、激しい攻防で観衆を沸かせるも昇格組VEEXも健闘しドロー発進。バルドラール浦安ラス・ボニータスが開幕2連勝で単独首位に立つ (2016/7/11)

 

SuperSports XEBIO 第7回 関東女子フットサルリーグ2016 powered by PENALTY 第2節
2016年6月25日(土) 東京都 府中市立総合体育館

まとめ◆デジタルピヴォ!記者YNG

 

第7回関東女子リーグが開幕した翌週には早くも第2節が行われた。第1節では運営で試合がなかった昨季の女王SAICOLOがいよいよ登場し、今季昇格組のVEEX TOKYO Ladiesとの戦いに大いに注目が集まるも両チーム後半に点を獲り合いドローに終わった。このすきに昨季2位のバルドラール浦安ラス・ボニータスが唯一の開幕2連勝を飾り、単独首位に立った。

 

[ 第1試合 ]
VEEX TOKYO Ladies 1-1 SAICOLO

連覇を狙うSAICOLOの初戦の相手は今季昇格組のVEEX TOKYO Ladies(以下VEEX)。昇格組とはいえ実力者ぞろいのVEEX相手ではあるが女王としての実力を見せたいところだ。
しかし試合はVEEXが激しいプレスでSAICOLOに自由にプレーをさせずに優勢に進める、#10吉林のドリブルや、ボールを奪ってからの速攻で#9高木や#16宮坂が抜け出してチャンスを迎える。しかしSAICOLOはGK#21吉村が冷静にコースを消して対応してピンチを何度もしのぐと徐々に流れをつかみ始め、#7加藤や#10堀田が惜しいシュートを放つ場面も増えだす。
両チームとも激しいプレスでパス回しが難しくなる場面が多く、この試合はGKからのロングスローが目立った。SAICOLOは#11吉川、VEEXには#5伊藤とボールの受け手がいるのでここを攻撃の起点とし、両チームのフィクソとGKは特にロングボールへの連携した対応に追われていた。
お互い無得点のまま後半に入ると、序盤は両チームともレベルの高いパスワークを見せる。パスワークではVEEXが上回りチャンスを多くつくり出すが優勢な時間帯にゴールが奪えない。ボール支配率の高さはトップクラスなのだが決めるべきときに決められずに苦しい試合にしてしまうのがVEEXの課題か。
VEEXへの対応に慣れてきたSAICOLOはここから攻勢に出ると10分、一気にVEEXゴール前まで攻め込み、#8高橋が右サイドから中央へパス、VEEX守備陣をそこへおびき出すとシュートは厳しいと判断して中央から高橋に折り返す。全員が飛び出して無人になったVEEXゴールへ高橋は丁寧に蹴り込んで待望の先制点を奪う事に成功する。
1点を追うVEEXは#10吉林の突破力を生かしての攻撃に加えて、シュート意識の高い#12岡林を投入して反撃に出ると15分、吉林が左サイドから得意の左足を振り抜き、これがファーサイドに決まって同点とする。
試合終盤、勝ち越しを狙う両チームは再びロングスローの応酬となる。SAICOLO吉村、VEEX#1森ともに精度の高いスローを送るため、フィクソかGKのどちらがクリアするか常に素早い判断が求められる最後まで緊迫した場面が続いたが両チームとも必死に守り切ってそのまま引き分けで試合終了となった。
連覇を狙うSAICOLOはドロー発進となったが、個々の能力の高さや守備力の向上も見られ、今季も優勝候補であることは間違いない。

 

VEEX TOKYO Ladies。

 

SAICOLO。

 

VEEX#9高木のシュートをSAICOLO#21吉村がブロック。

 

スピードとテクニックを見せるSAICOLO#7加藤。

 

SAICOLOのゲームメイクを支える#10堀田。

 

両チームとも激しい当たりを見せる戦いとなった。

 

シュートの意識が高く、攻守によく走るSAICOLO#12長谷川。

 

大事な試合で決定機をよく決めるSAICOLO#8高橋。

 

先制点を決めた高橋が喜びを爆発させる。

 

同点ゴールを挙げたVEEX#10吉林。

 

ロングボールの競り合いも見応えが多かった。

 

終了間際のSAICOLO#11吉川とVEEX#1森の戦い。

 

シュートストップとロングスローで“魅せた”SAICOLO#21吉村。

 

VEEX森もよく止めて大いに貢献した。

 

経験豊富なピヴォとして常に相手の脅威であり続けるSAICOLO#11吉川紗代選手に話をうかがった。

 

Y:初戦お疲れ様でした。引き分けでしたが昇格組のVEEXは吉川選手個人としては昔から戦ってきた相手だけに思い入れのある試合になったかと思いますし、ようやく関東リーグでやり合う姿が見られておもしろかったです。感想を聞かせてください。 

吉川:VEEXとは前身のFUNレディースのときから何度も対戦してきたし、なかなか勝てない相手でした。メンバーは変わりましたが、やはりVEEXはVEEXで、やはりオスカーのフットサル、それはまあ手ごわい相手で(笑)。
それだけに試合をしていて気の抜けない、でもそこが本当に楽しくてワクワクする試合でした。ただ引き分けという結果は悔しいのひと言です。去年のチャンピオンチームが、いくら実力者ぞろいのVEEXとはいえ昇格組には勝たなくてはいけなかったです。

よく知る相手との対戦に闘志あふれるプレーを見せていた。

Y:GKのロングスローの精度も高く、吉川選手もピヴォとしてかなりの存在感を示していました。

吉川:いろんなGKのスローを受けてきたけど、ふみ(#21吉村史)のスローは日本一だと思ってます。ただ、まだ全然合ってないし、私自身のプレーも全然納得できるものではなかったです。せっかくのスローを生かせていない場面も多かったので、そこはお互いにコミュニケーションを取って早く武器にしたいです。また、うちは今季からGKが3人いるのでそれぞれの特徴を出してほしいし、周りもそれを生かしていきたいです。

Y:今季も新加入選手が多いです、チームづくりは大変だとは思いますが個々の能力の高いSAICOLOがどんなフットサルを見せてくれるか楽しみです。

吉川:人数が増えて競争があるのはとてもいいことです。でも、うちの選手はみんなおとなしくて(笑)。もっともっと出しゃばってほしいし、そうなるともっとおもしろいチームになっていくと思うので、ベテランとしては少しでも引き出せるように頑張ります(笑)。

Y:昨季は連覇中の浦安を下して新しい歴史をつくりました、今季の目標を教えてください。

吉川:もちろんリーグに関しては連覇ですし、去年地域チャンピオンズリーグに出たワクワク感が忘れられません。もう一度、あの舞台に戻って今度は、てっぺん獲りたいですね。あとは全日本選手権ではまだSAICOLOは全国大会に出たことがないので、まずはそこを突破します。

Y:最後に、応援団や女子フットサルファンにメッセージをお願いします。

吉川:VEEXとの試合を見逃してしまった方! 損してます(笑)。

SAICOLOとしては、そんな試合を毎試合できるようにしっかり戦っていきますので、ぜひぜひ会場に足を運んでください! 出来なかったらヤジってください(笑)。まだまだ発展途上の女子フットサルは選手、関係者、サポーター、どれが欠けても発展していくことはできないので、一緒になってつくって盛り上げていけたらと思います。これからもよろしくお願いします!

 

[ 第2試合 ]
FOREST ANNEX 0-1 the sunkisst

開幕戦を落とした両チームの対戦、個人技にたけたthe sunkisst(以下sunkisst)が引いた守備をしくFOREST ANNEX(以下ANNEX)を相手に巧みなドリブルを見せる。#7伊藤、#8倉持、#10濱野が自由にボールを持てる状況になり、何度も決定機を迎えるがANNEXは体を張った守備で耐えながらカウンターアタックを仕掛ける。
sunkisstの攻勢の時間が続くと10分、左サイドからドリブルを仕掛けるとANNEXにやや後方から激しくチェックされて体勢を崩す。そこで審判の笛が鳴ったようで、笛が鳴ったとしてANNEXはプレーを止めたのだがsunkisstはその勢いのままゴール目の前まで進んでいたのでそのまま#5水原がシュートまで行き、ボールはゴールに入ると主審はゴールの判定。ANNEXは抗議をし、笛が聞こえたという声もあったがアドバンテージということなのか結局ゴールの判定は変わらずに試合は再開された。
ANNEXはその後、なかなか攻撃の形がつくれず遠目からのシュートを多用するが得点は奪えず、sunkisstもチャンスをたくさんつくりながらもANNEXの素早い対応に決めきることができずにこのまま追加点はなく試合終了となった。

 

FOREST ANNEX。

 

the sunkisst。

 

相手を飛び込ませて抜くのがうまいsunkisst#7伊藤。

 

シュート力の高さが驚異的なsunkisst#10濱野。

 

巧みな足技を入れながら鋭い突破を見せるsunkisst#8倉持。

 

2試合連続ゴールのsunkisst#5水原。

 

[ 第3試合 ]
バルドラール浦安ラス・ボニータス 5-2 Shoot anilla

初戦を快勝していいスタートを切ったバルドラール浦安ラス・ボニータス(以下浦安)とギリギリで追いついて勝ち点1を獲得したShoot anilla(以下anilla)の対戦。
試合は連携力の高い浦安が終始優勢に進めると、4分、ピヴォの#17池田がゴール前でボールを受けるとお手本どおりの反転シュートを決めて早くも先制する。プレスのよく効いた守備で中盤でボールを奪って素早くカウンターアタックを仕掛けると6分には#9江川が追加点を挙げる。しかし押されっぱなしではいられないanillaは#15東山が右サイドでボールを奪って一人で仕掛けて鋭いトーキックでのシュートをゴール右上に突き刺して追い上げる。
1点差とされてしまった浦安だが、後半一気にリードを広げることに成功する。開始1分、#13阿部が鋭いドリブルで中央突破してシュートを決めて3対1とすると、4分には相手陣内でボールを奪って独走した#18根岸がGKをよく見て逆を取ってシュートを決める。
さらに圧倒して攻める浦安は#4四井が強烈な左足シュートを放つとゴール前の混戦を抜けてゴールに突き刺さり5対1と大きくリードを広げると新加入選手の出番もつくり登録全選手を出場させる。
ここでやや連携が崩れた浦安にanillaがすきをついて、#14松村が左サイドから強烈なシュートをファーサイドに突き刺すもここからはお互い得点はなく、5対2で試合終了、浦安が開幕2連勝で単独首位に立った。

 

バルドラール浦安ラス・ボニータス。

 

Shoot anilla。

 

反転シュートをしっかり決めた浦安#17池田。

 

今季初ゴールの浦安#9江川が笑顔を見せる。

 

反撃の一撃を決めたanilla#15東山。

 

好調続きの浦安#13阿部が見事なドリブルシュートを決める。

 

安定したプレーでチームを支える浦安#18根岸。

 

とどめとなるゴールを決めた浦安#4四井。

 

最後に一矢報いたanilla#14松村。

 

[ 第4試合 ]
FUGADORすみだレディース 1-1 CAFURINGA BOYS東久留米

初戦を引き分けのFUGADORすみだレディース(以下FUGADOR)と敗戦のCAFURINGA BOYS東久留米(以下カフリンガ)の対戦。
開始から引いた守備のカフリンガをFUGADORが攻め立てる。クアトロやピヴォ当てのセットを使い、多様な攻撃を見せてシュートを連発する。しかしカフリンガGK#12小山田が好セーブを連発して耐えると#4鎌倉、#22森岡に送ってボールをキープして攻撃に転じる。しかしFUGADORの守備にシュートまではなかなか持ち込めずに得点のないまま前半を終える。
後半もFUGADORの優勢な時間で進んでいくと8分、ゴール前右サイドでボールを受けた#9足利がファーサイドへ走り込む#15西岡へ速いパスを送るとフリーで決めてようやく先制点を挙げる。
しかしその後追加点が決められないでいるとカフリンガの反撃が実り、FUGADORゴール前左からキックインのチャンスを得る。
ここでカフリンガはセットプレーの戦術が見事にハマり、森岡が味方からの落としを中央から右足でシュートを決めて歓喜に沸かせる。
その後はFUGADORが猛攻を仕掛けて遠目からでも積極的にシュートを撃っていくも精度を欠き、そのまま引き分けで試合終了となった。
圧倒的に攻めながら引き分けが続くFUGADORと終始耐え続けて勝ち点1を獲得したカフリンガのこの試合以外にも今季は引き分けが多く、1試合ごとに順位が大きく変動するため、本当に混戦のリーグとなりそうで今後も大いに楽しみである。

 

FUGADORすみだレディース。

 

CAFURINGA BOYS東久留米。

 

カフリンガGK#12小山田の活躍がなければ大量失点していたであろう。

 

苦しみながらもようやく先制点を決めて喜びを爆発させるFUGADOR#15西岡。

 

カフリンガの攻撃を支える#4鎌倉。

 

セットプレーから見事な同点ゴールを決めたカフリンガ#22森岡。

 

復帰したカフリンガ#6芝原の存在はやはり大きい。

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