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無料記事[まなぶの部屋2]ペスカドーラ町田・室田祐希選手「練習から集中していかないといけないですし、試合で結果も出さなきゃという危機感もあります」(2016/7/18)

 

 

エスポラーダ北海道のエースの座を捨てて移籍に踏み切り、今シーズンより、ぺスカドーラ町田に入団し、森岡薫選手と共に期待を集める24歳室田祐希選手。

室田祐希選手は開幕戦こそ、最初セットに入らずに前半10分過ぎというタイミングでの出場となったが、2節で小野寺選手・日根野谷選手・横江選手・篠崎選手とともに1stセットで出場を果たす。3節も同じメンバーで1stセットのメンバーで出場すると、4節では、小野寺選手・滝田選手・金山選手・原選手とともに1stセットで出場する。5節でも2ndセットでの出場と主力メンバーとしてしれつなレギュラーな争いの中、コンスタントに出場をし、ゴールこそないものの、開幕戦・神戸戦にて横江選手に、4節・府中戦では中井選手にアシストとチャンクメイクをし、存在感を見せている。
(このコラムは2節ぺスカドーラ町田×ヴォスクオーレ仙台の試合後のインタビューを元に作成しています)

まとめ◆デジタルピヴォ! 古澤

 

名古屋オーシャンズ在籍時は「状況判断を学んだ」という。「ドリブルを仕掛けるところだったり、場所だったり、時間帯だったり。そういう状況は学びました。うまい選手ばっかりでしたから自然に練習中から学べたのかなと思います」と。

名古屋のときは、「自分のプレーを出すだけじゃ駄目なんだってことを知ったので、町田に来てからは自分のプレーを出すというよりも、コミュニケーションをとって、まずチームの戦術を理解して、そこで自分のよさを少しずつ出していこうかなと思ってやってきました」と5月のブラックショーツとのトレーニングマッチ後のインタビューにて語る。

 

 

ぺスカドーラ町田の森岡薫選手は2016年1月27日に行った国際親善試合・コロンビア代表戦において以下のようにコメントをした
「ベテランと若手が噛み合ってきています。若手だと特に室田は仕掛けていました。ただ、ピッチや練習で先輩だからとか後輩だからとかの意識はあまりないです。若手は堂々とプレイをしていくことが自信につながると思いますので僕らもそれをバックアップしないといけないと感じています」と。もともと代表でともにしていた森岡・室田・滝田の連携を見られることが間近となる。森岡選手の合流により、より室田選手に自分らしさが出てくることを注目したい。

2節で念願の1stセットのメンバーで出場したとき、「僕たちのセットはディフェンスも前からいけてはまっていましたし、攻撃もシュートで終われていましたし、戻りも速かったのでカウンターは見受けられなかったと思います。僕自身得点はありませんでしたが、前節(1節)よりはよかったと思います」と語った。
開幕戦は早めに失点していたので立ち上がりはあまりリスクをかけないようにしていたが、篠崎選手や横江選手からも行けるときは仕掛けろといわれていたのだという。
北海道ではずっと2ndセットで久々の1stセットだったとのことで、それもあって立ち上がりは慎重に入ったという意味もあったようだ。

 

 

2節の試合・後半、左サイドで突破して、フリーでいたピヴォの日根野谷選手にパスする形があって、うまくはいかなかったけれど、あのプレイこそ、室田選手の役割なのかと思うシーンがあった。
室田選手は「(日根野谷)けんが抜けてくれたときに僕に2枚来ていたので、そこを狙っていこうといってましたし、僕がさらしたときに1回けんにピヴォ当てしました。(森岡)薫さんからもファーでなく中で、ピヴォ当てみたいに、ずらして当てればシュートまでいけるといわれてました。結果、けんがターンして撃ってしまいましたが、あれはいい攻撃だったかなと思います。ただ、僕としては点を決める気満々でした。落としてもらってト―キックで決めるつもりでした。ディフェンスも僕のマークもついてこれてなかったので」のだという。
やはり、ゴールを決めたい気持ちは強い。だが、本人は「僕自身はいつも最初は獲れていないので我慢してここかなと思います」と整理している。

 

本人のゴールへの意識としては以下。
「僕がさらしているときに、中をドリブルしてシュートもあります。さらしてて、右斜めのファーへのパスも最近出せるようになってきたので、さらしてるときには別に何個か選択肢があって、そこから相手の状況だったり味方の状況を見て選んでいます。だから、自分でゴールを奪うというよりはチームとして得点できればいいかなとは思いますし、選択肢から一番ゴールに近いものを選べたらと思ってます」というもの。

チームでゴールを奪うにはチームメイトの連携が必要となるが、室田選手は「僕的にはやりづらさはないですし、シノくんもレオくんもけんも僕を生かしてくれる。考えてプレイしてくれます」と2節の後に語り、5月のトレーニングマッチ後も「練習をやっててもホントうまいメンバーなので、僕の欲しいところにもパスが出てきますし、僕が出したいところにいてくれますし。そういうのも最近、徐々に合ってきているので、すごい楽しいですね」とチームメイトとの連携では手応えを感じているようだ。上記したように2節と3節では小野寺選手・日根野谷選手・横江選手・篠崎選手で1stセットで出場をしたが、「けんとは昼飯食べていて、シノくんもレオさんも夜飯を食べて、誘ってもらったり、普通に話します。お世話になっています。そういうのもあって、やりやすいですね。話しやすいですし、ここをどうしてほしいとか、向こうも意見がしっかりしているので、今はこうしたほうがよかったよとか。ためにはなります」とも語っている。

 

次に持ち味である「ドリブル」について。
2節仙台戦において「べた引きするチームはドリブラーとしてはやりづらいのでは?」という質問に対して。
室田選手は「さらしているときにカバーも入っているので無理に仕掛けないで逆に飛ばして展開しようと思っていました。カウンターも怖かったですし、無理してリスクかける場面でなかったので。逆に飛ばした後にまた戻してくれれば、また仕掛ければずれてくるかなと思っていました」と答えてくれた。
そして、「他に信頼できるプレイヤーもいるので、そこは僕がリスクかけるよりも逆に飛ばして、逆から仕掛けたほうがチャンスはつくれると思うので」と仲間のことを語り、入団して数か月の中で信頼感を持って戦えていることをうかがえる。

開幕戦でもアシストしたり、3人のマークをドリブルで打開するシーンもあった室田選手。3節の名古屋戦ではスコアを動かす働きこそなかったものの、室田選手がボールを持った瞬間に会場は沸き、なんとかしてくれるのではないかという空気となった。前半に名古屋に大分点差をつけられていた場面でもそういう空気をつくっていた。そんな室田選手はドリブル時の意識としては「相手のディフェンスの距離に入らないようにしています。寄せてくる前に自分から切り込むのを意識しています。やっぱり、ディフェンスの間合いに入ってしまうと結構やりにくいので、僕の距離感を保てるように意識しています」というもの。

ぺスカドーラ町田は今シーズン、室田選手の加入もあり、レギュラー争いはますますしれつになる。その中で1stセットで度々出場をして、存在感を存分に見せている。
「北海道のときよりも競争が激しいですし、いつもの練習が大事です。練習から集中していかないといけないですし、試合で結果も出さなきゃという危機感もありますね」と気持ちを引き締めて日々に臨んでいる。

記者会見での岡山監督の室田選手の評価は厳しいものではあるが、そこは「彼はもっとできる」という期待の裏返しともいえる。
次節以降も室田選手のチャンスメイクに、会場を沸かすドリブルに、そして、初ゴールは次こそ見れるのか期待したい。

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