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[Fリーグ2016/2017第16節]シュライカー大阪・木暮賢一郎監督「あの試合に関していえば、彼らのゼロ秒を基準にしたら、僕らはマイナスだったかなと」(2016/11/3)

 

SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017 第16節
デウソン神戸 4-8 シュライカー大阪
2016年10月30日(日) グリーンアリーナ神戸 観客数:1,523人
[得点経過]
0-1 03分02秒  大阪 26 加藤未渚実
0-2 11分30秒  大阪 5 アルトゥ―ル
0-3 17分43秒  大阪 11 チアゴ
1-3 18分03秒  神戸   18 相井忍
1-4 23分22秒  大阪 10 ヴィニシウス
2-4 23分45秒  神戸 7 原田浩平
2‐5 25分38秒  大阪 10 ヴィニシウス
2-6 28分28秒  大阪 10 ヴィニシウス 第2PK
3-6 30分33秒  神戸 30 松宮充義
4-6 33分52秒  神戸 7 原田浩平
4-7 36分17秒  大阪 11 チアゴ
4-8 39分25秒  大阪 26 加藤未渚実

 

第17節でエスポラーダ北海道(以下北海道)を破り10連勝となったシュライカー大阪(以下大阪)。
第15節で首位であったフウガドールすみだ(以下すみだ)を破った大阪は第16節・関西ダービー・アウェイ・デウソン神戸(以下神戸)戦も破っていた。第16節を中心にこれまでの大阪を振り返る。

まとめ◆デジタルピヴォ! 古澤

 

大阪は中断明けのゲーム・第14節・バルドラール浦安戦の記者会見で木暮監督は「1か月公式戦を離れたことに関してふたを開けてみないとわからないと思っていました」「自分自身、選手であったのでモチベーション含め、中断明けは難しい事実があることを認識していました」「準備期間が長いので根をつめて何かを取り組むことを早めから始めたとしても、人間にはリミットがあるので、休みの期間はほかのチームより長かったかもしれませんが、フィジカル的にもモチベーション含めて、中断明け初戦でトップにすることを逆算しました。対策よりも維持をし、ラスト1週間でスイッチを上げるプランでした」と中断期間を振り返ってくれた。

中断前、ゲームコントロールの部分で大阪は課題があった(今も解決しているとはいい難いが)。
しかし、その中でも、第13節北海道戦後、「勝者のメンタリティーというところでいえば、足りてはいないとは思いますが、きっちり勝ち点3を取っているので。もっともろいチームであれば、引き分けたりとか、そういうこともありますから。課題はありながらも、ここまで勝ち続けているのはそこはポジティブにとらえて、課題をしっかり修正してさらに強い大阪というのを中断明け以降、そこでまた皆さんの前でいいプレーを見せられればと思います」と語った中、中断期間以降も4試合勝利を重ねている。

木暮監督は第16節デウソン神戸(以下神戸)戦の試合後、「前節首位であったすみだに勝ったことは忘れて、プレッシャーに打ち勝っていこうという話はしました。昨日、府中がすみだに勝ちましたが、これから先は相手に勝つだけではなく降りかかるプレッシャーをはねのけていかないと優勝争いを続けていくことは難しいと思いますし、これから来るさまざまなプレッシャーに勝つというためには今日は非常に重要な一戦でした。今日は難しいゲームでしたが、選手全員がプレッシャーに打ち勝つことができて、すばらしかったなと思います」と試合の入りを含めて語った。

「決定力であったり、フィジカルとチームの完成度は高くなっていると思います。中断期間前も状況はよかったと思いますが、中断はさみチームのメンテナンス・コントロールをすることが難しい中で、ここまで積み上げられたのはどのような日々の積み重ねがあってのことでしょうか?」という当サイトの質問に対しては、「ゲームは常に勝ち負けがつくのがこの世界です。いいプレイをしたから、すばらしいフットサルをしたから勝てるというわけではないですし、悪い日であっても勝ち点3が取れるときもあると思います。どんな結果になろうとも自分たちができることはいいトレーニングをすることしかないです。何が勝つ秘訣・どうやったら勝てるかといわれれば、いいトレーニングをすることしかないと思っています。自分の思ういいトレーニングというのは常に競争があって、モチベーション高く、出ている選手、メンバー外の選手、いろいろあると思いますけど、そういうところを含めて、いいも悪いも含めて、個人個人では波もあると思いますし、中断期間というのはおのおのモチベーションを保つのは難しかったと思いますけど、グループ全体としては、高いモチベーション、高い意識、高い競争力を持ってトレーニングする以外ないと思っていますから、結果は関わるスポーツですが、そういったものは選手に強く求めていますので積み重ねが今いい時期であるのは間違いないと思いますけど、同じようにどこかでまた違うことが起こる可能性はあると思います。ただ、そこも含めて日々のトレーニングしか僕らは活路を見いだせないと思います」と答えた。

「すばらしいフットサルをしたから勝てるというわけではないです」とあるが、第4節のフウガドールすみだ戦において、シュライカーは2-3で敗戦をしている。
しかし、木暮監督は試合後にチームの完成度に関する当サイトの質問に以下のように語っている。「昨年より意識するのはゴール数よりも相手コート・10メートルに常にボールを置いておく。そういう時間が長ければ長いほどゴールの確率も高くなりますし、失点する確率は減ると思いますので。自陣にボールがあるってことはゴールも遠いですし、奪われば、ゴールに近いところでショートカウンターを受けてしまうことがあるので。非常に重要視していること、大きなテーマとしてやっているのはシンプルに相手の10メートルあたり、相手のコートで常にプレイすることです。今日は負けてしまいましたけども、4試合の中では、そういう意味では、相手コートにボールを置く時間はつくれているかなと。ただ、課題としてはその後ゴールにつながるのか。フィニッシュの部分であったり。当然相手は警戒してくると思うので、ピヴォであったり、サイド1対1をして時間をつくっている間のサポートの質であったり、フィニッシュのパターンに関しては向上していく必要があると思います。今日のゲームに関していえば、自分たちの、大阪というチームのキャラクターでいえば、ゴールは足りなかったかなと。5点・6点奪えるシーンはあったと思いますし、決めるべきところでこちらが先に決めていれば、勝ち点3はこちらに動いていたと思うので、非常に残念なゲームだったと思います。切り替えて、今自分たちが取り組んでいることの完成度を上げていくことに尽きるかなと思います。現状としては結果・内容含めて特に、大きく悲観する必要はないのかなと。ただ僕の設定している勝ち点のラインであったり高いところに目標を置いていますが、そういう意味でこの2試合で勝ち点1しか取れなかったことに関しては厳しい結果であることは受け止めています。それを受け止めて次の試合に向かいたいなと思います」と語っていた。
結果論ではあるが、負けてはいたものの、着実にチームの構築は進んでいたといえるかもしれない。このとき、大阪はすみだに負けはしたものの、決して圧倒的に負けたというわけでも、圧倒されたというわけでもなかった。ここでの敗戦からチームをさらに構築をし、大阪が苦手としている部分も整理しつつ、フィニッシュのトレーニングやスカウティングによるものもあっての2巡目のすみだ戦での勝利といえるかもしれない。スカウティング能力が非常に高い木暮監督であるので2巡目からがさらに本領発揮になるであろう。現在10連勝中で非常に手がつけられない状況だ。

また、15節フウガドールすみだ戦と16節デウソン神戸戦と全く違うタイプのチームでありながらも2戦ともに大量得点での勝利となっている点に関しては木暮監督は以下のように語ってくれた。
「勝つためにはディフェンスが大事だという普遍的な部分であると思いますし、ハードワークをしていく。ディフェンスを構築していくということ。トランジションが重要であることは間違いないですが、大阪のトレーニングとしてはオフェンスのトレーニングにこだわっています。タレントを生かすやり方とかどちらかというと攻撃は自由にではないですけど、そういうチームが多い傾向を感じますが、自分たちはより細部にこだわってどうやったらボールを前に運べるか、それはクリアランスからもそうですし、相手が引いてる状態で、どうやったら10メートルより、エリアの中にボールを運ぶか、どういう動きをしたらいいのかそういうところは非常に多くの時間を割いています。もちろん、ボールをいくら前のほうに運べても入らない時はあると思いますし、決していつもこれだけ点が獲れる保証はないです。ただ、どうやってボールをゴール前まで運ぶか。どうやってゴールを奪うかというところで毎日しっかりしたトレーニングをしているところとタレントの強さもあります。今シーズン負けた2試合は2点しか獲れてないですし、厳密には引き分けた試合も2点しか獲れてないので、また2点しか獲れない日が来るかもしれません。それはいつ起こるかは誰にもわからないです。データでいうと、僕らのゴール数でいうと、3点はノルマなのかなというところもありますし、逆に失点をゼロか1に抑えれば、負けたゲーム・引き分けたゲームも2点は獲っているので、2-0とか1-0とかで勝てるのかなという想定はありますが、大量得点で勝ててるのはオフェンス・フィニッシュのトレーニングが多い積み重ねが少なからず影響はあるのかなと思います

シュライカー大阪は今シーズンに関してはセットを分けてという形にはしていない。第4節すみだ戦後に以下のように語っている。
「頭の中にあるオフェンシブなセットであったり、ディフェンシブなセットであったり、相手に脅威を与えるセット、バランスを見るセットと、いくつかあるパターン、プラス、そのゲームでの調子ですとか、選手の特性などを照らし合わせながら、選手起用というのはしています。非常に押し込む時間を長く取れるセットもありますし、トレーニングの中から、ここに来れていない選手も含めて、競争をしています。どのトレーニングでも今はメンバーを替えながら、ランダムにではなくて、意図するメンバーで、どの選手が出てもいいパフォーマンスが出せることをコンセプトにやっています」

セットで戦うかどうかの弱点はフィジカルのところ。トレーニングの中で選手が何分出ているかを体現した状態で練習ができていれば可能かなと木暮監督はいう。第11節アグレミーナ浜松戦後に個別インタビューにて以下のように話してくれた。

「1回のプレイタイムが6分7分出れるタイプの選手もいると思います。逆に2分くらいで小刻みに出たほうがいい選手もいます。それをまず僕らが理解をして、そこに合ったコミュニケーションだったり、トレーニングでそういったものを落とし込めるか、回復をどうしたらいいのか、トレーニングのボリュームをどうしたらいいのか。出場時間が少ない選手はフィジカルを上げないといけないので個別性を特化しています。理想は長く出てる選手・中間・短い選手・メンバー外というグループ、足並み・フィジカルを常にトップにすること。回復しないといけない組・足らないところを補わないといけない組は当然出て来るのでアプローチが必要になります」

(残り 3135文字/全文: 7781文字)

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