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[無料記事/Road to 関東女子リーグ]BALLENA BLANCA城北レディース、東京都女子1部リーグ前期最終戦大敗も、キャプテン“リカコ”「個人的には意外に戦えたなって思いました」(2016/11/16)

前期6位が確定したBALLENA BLANCA城北レディース。サッカーで培った個の力を前面に押し出して既存のフットサルチームに果敢に戦いを挑んだが結果は1部残留を懸けて後期下位リーグを戦うことになった。

 

城北の前期最終戦の相手はここまで負けなしのTapaZida。立ち上がりこそ城北の圧力に押され気味だったが徐々にペースをつかむとワンツーを基調とするシンプルな戦い方で城北を手玉に取った。

 

SuperSports XEBIO 東京都女子フットサル1部リーグ2016 第12節
TapaZida 6-1 BALLENA BLANCA城北レディース
2016年10月15日(土) エスフォルタアリーナ八王子サブピッチ
[得点経過]
1-0 4分 TapaZida 13 紅野真希
2-0 13分 TapaZida 7 森栄利香
3-0 13分 TapaZida 13 紅野真希
4-0 13分 TapaZida 5 大塚愛
4-1 17分 城北レディース 4 片山理夏子
5-1 21分 TapaZida 4 川野りな
6-1 24分 TapaZida 7 森栄利香   
(試合は15分プレーイングタイム) 

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

1部残留目指して総合7位で後期へ

東京都女子1部リーグのBALLENA BLANCA(バジェーナ ブランカ)城北レディース(以下、城北)は10月15日、首位のTapaZidaと前期最終戦を戦い、1-6で敗れた。また、8チームによる1回戦総当りで行われた同リーグ前期は11月13日(日)、第14節の最後の2試合が以下の結果で終了。
府中アスレティックFCキンツェム 0-4 jonita
府中アスレティックFCプリメイラ 2-1 TOCAR jugadoras 新宿
この結果、城北は前期総合7位が確定した。

▪️SuperSports XEBIO 東京都女子フットサル1部リーグ2016 前期順位表

▪️SuperSports XEBIO 東京都女子フットサル1部リーグ2016 前期リーグ表

なお、後期は、
1位 TapaZida
2位 府中アスレティックFCプリメイラ
3位 TOCAR jugadoras 新宿
4位 jonita
上記の前期上位4チームが上位リーグを構成(1回戦総当り)、優勝すると関東女子リーグへ自動昇格、第2位は関東女子リーグ昇格を懸けて第7位のチームとの参入戦に出場する。
また、下位リーグは、
5位 Festilo
6位 ASV PESCADOLA MACHIDA Bailarinas
7位 BALLENA BLANCA城北レディース
8位 府中アスレティックFCキンツェム
この4チームで構成(1回戦総当り)、第8位は都女子リーグ2部へ自動降格、第7位は2部第2位のチームとの入替戦に臨むことになる。下位リーグで1部残留を決めるには第5、6位の2枠に入るしかなく、その渦中にいる城北は、上位リーグと同等もしくはそれ以上にシビアな3試合を戦うことになる。

(編集部注:総合順位の表記に過ちがありました。都連盟の順位表とリーグ表に6位城北、7位バイラリーナスとありますが、勝ち点で並んだ場合の次の順位決定方式は「当該チームの対戦結果の総得点数」であり直接対決で勝利したバイラリーナスが上位に位置づけられました。訂正してお詫びします<修正11月21日(月)>)

 

入りは城北のペースだった。リーグ中盤から続けてきた前プレがはまり自分たちのペースで試合を進めた。写真は5番サチ、9番ゆめ、10番なっちゃんの3人が上下動を繰り返し相手をほんろうしたシーン。

 

相手ディフェンスのライン間に侵入した9番ゆめにパスを出すキャプテン4番リカコ。5番サチが相手の気をひく動きを見せる中、ゆめは空いた縦のスペースへとドリブルを仕掛けた。フットサルキャリアの浅いチームとは思えない展開だった。

 

しかしそれも先制された前半4分まで。焦りからか、疲労による集中切れからかパスミス、トラップミスを連発し「自爆」(川﨑監督)、前半に4ゴールを許してしまった。写真はボーラーへの寄せが甘く最終ラインの裏を突く動きにパスを通され一気にピンチを招いたシーン。

 

先制された直後のタイムアウト。前プレをやめてハーフに引く提案が選手から出たが、監督は前プレの継続を指示し、再び選手を送り出した。

 

エースのゆめが得意のドリブルを仕掛ける。23番ヒナがカバーに入り、なっちゃんがパスコースをつくる。いい形だ。

 

しかし、なっちゃんのへの密着マークが厳しくパスを出せず、ゆめは右へ進路変更するが、その動きも相手の想定内、このあとコースを消された。

 

入団後初試合の現役大学生、召田咲(20歳)がサッカー部の練習を終えて駆けつけると後半からピヴォとして出場し存在感を見せた。

 

その咲がコートど真ん中でドリブルを仕掛ける。フォローにまわるなっちゃん、2番のんの距離感も悪くない。しかしそれ以上にTapaZidaのチェックは厳しく進路をふさがれた。

 

チームがボールを失った後の切り替えが早く、しつこく取り返しにいくなっちゃん。前にも触れたがこれこそ優れた個人技。ぜひチームに浸透させたい。

 

かくして城北の前期は終了した。

 

いつものように試合直後にミーティングを行う城北。川﨑監督は「これが首位とうちの力の差、受け入れて練習しよう」と選手に話した。

 

試合の中で磨いた対応力

1勝1分け5敗、勝ち点4、第7位。BALLENA BLANCA城北レディースの1部昇格初年度前期は不本意な結果に終わったが、その中で選手は対応力を磨いていた。そう証言するのはキャプテンのリカコ。川﨑康裕監督の指揮のもとに3年前にリスタートした城北で、エントリーリーグ時代から一貫してキャプテンをまかされてきたリカコは、「大差で負けたけど、やっと(自分たちのスタイルが)確立された」と語り、チームの明日につながるコメントをインタビューで答えた。。

今日は大差だったけど、まだやりたいって思った

Pivo! 試合を振り返ってほしい。

リカコ なんか、大差で負けちゃったんですけど、でも、今までやってきた中で、周りはみんな後悔とかあったと思うけど、わたし的にはできることはやったというか、なんだろうな、やっと確立された? なんか、今まで、jonita戦をはじめ全部前から(プレッシングに)行ってて、やっぱり体力的にきつい面があって。どうしても試合がきつくなって楽しくなかったんですよ。後半とかも早く終われとか思ってやってたんですけど、今日はなんか、大差だったけど、まだやりたいって思ったし、点獲れる可能性もあったから。だからああいううまい相手とやることによって、自分たちのスタイルがやっとわかってきたかなって思いました。

Pivo! その充実感はどこで感じた?

一発で行かないようにジワジワ行った

リカコ う~ん、まず最初に前半ですごいいい入り方をして。

Pivo! 前プレがはまって、相手に自由にさせなかった。で、たまらず、あのTapaZidaもミスしていた。

リカコ 普段だったら全部前から行くんですけど、そうじゃなくて、相手がうまいので一発で行かないようにジワジワ行くのを意識がけとしてやってたので、なのでみんな足を出したりせずについていくことができたので、そこがよかった面であるかなと思いました。

Pivo! 4点差をつけられたものの後半もいい入りができたのでは?

リカコ 後半は、でも、前半に自分たちのミスでやられちゃってたので、結構沈んでいたところに、フレッシュな召田が入ることによって、体力的にもチームの雰囲気的にもよくなったから、多分、普段だったらあそこで落ちてたと思うんですけど、しっかり後半入り直すことができて、途中までしっかり無失点というのができていたので。後半無失点でいこうというのを(監督の)川﨑さんにいわれてたので。それもできてたから。後半の入りもよかったんですけど、やっぱりその上を行かれたというか、実力的にきれいにファー詰めでやられちゃうところが何本もあったんで。入らなかったけど、ポストに当たってファー詰めでほぼ入ったようなのもあったし。だから完全に崩されている部分とかもあったので、やっぱ上だなとは思ったけど、でも、個人的な意見としては意外に戦えたなって思いました。

すごい足が止まってたなあと自覚した

Pivo! TapaZidaにあって城北にないものは、パスを出してからの動き出し。これがないために城北はシンプルなワンツーが成立しない。それがもったいない。

リカコ なんか、やっぱり相手はポジションっていうのがあんまりなくて、流動的に動くと思うんですけど、わたしたちは結構、前の人、後ろの人っていう区分がされてしまっている分、動きずらいのと、あとは、前の人のプレースタイルを見届けちゃうところがあって。(9番のピヴォ)ゆめはドリブラーだから、そこを邪魔しちゃいけないっていう思いで、後ろからのフォローになっちゃってるから。そこを1枚は後ろからでいいんですけど、ほかの2枚は後ろから前に(ピヴォを)追い越せる動きがないと、ゆめのドリブルも通用しないのかなと思ったりしたので。やってるときもベンチで見てるときも、すごい足が止まってたなあと自覚したので、そこだなと思いました。そこの課題も見つかったし。わたし的には、価値のある負けだったんじゃないかなって思います。

TapaZidaぐらいやったら自分たちも楽しいだろうな

Pivo! 監督はこれを機にフットサルをイチから教えるんだといってる。さらなる成長のいいチャンスだ。

リカコ 今日のTapaZidaはフットサルの見本みたいな感じだから、あんぐらいやったら自分たちも楽しいだろうし、だからそういう試合を自分たちもできるように頑張りたいです。

Pivo! 向こうもやってることはシンプルだ。でもプレー精度が高い。

リカコ うん、シンプルなのにあんなに崩せる。多分、走ってるときの技術もそうなんですけど、ひとつひとつの気の遣い方とかが、パスの位置だったり、ファー詰めでもあんだけ丁寧にあそこに出せるのって多分なかなかないと思うし。第3者がしっかりファーに動いて、トラップも完璧で、パスもインステップであそこにちゃんと蹴れるっていうのは、技術はもちろんだけど、やることが徹底されてて、気配りができているなぁって思いました。でも、1対1では負けないとも思いました。相手の15番の子とか13番の子は、正直うまかったけど、その人たち以外、戦える? 大人と子供って感じではなかったかなって思ったので。チームでやることを徹底させないといけないと思いました。
しかも、自然とサンドもできてたんで。そこはみんなと話してなかったけど、挟んで奪ってカウンターっていうのが何本もあったから。せっかくそういういいところがあったのに、カウンターが向こうみたいに丁寧にパスとかができない分、ドリブルもつっかかっちゃう分、点につながんなかったから、もったいないなと思いますね。

失ったらすぐ切り替えて取り返す

Pivo! カウンターの精度上げたいね。

リカコ 上げたいですね。何本もあったから。多分、向こうがその本数やってたら、10本中8本くらい決めてるところを1本も決められていないから、そこが残念です。

Pivo! 今日も感じたのは、10番のなっちゃん。ファーストディフェンスで失った後すぐに切り替えてボールを奪いに行くし、実際に奪ってショートカウンターの起点になっている。あの意識はみんなのお手本だ。

リカコ わたしも結構下がっちゃうタイプなんで。ディフェンシブなんで。それがなんかいいことのように定着しちゃってる。彼女はそうじゃない。あれ、貴重なアクションかなと思いつついつも見ているけど、それに仲間のフォローが入ったら多分、チームとして、強力な武器を身につけることになると思う。そこの共通意識ですね。ひとりひとりがもうちょっと責任を持ってプレーすればもっといいかなと思います。

Pivo! これで前期が終り。次は後期の3試合。降格なんてことにならないように勝ち点をガンガン稼ごう!

リカコ はい、ありがとうございます!

 

<<11/13に総合6位が確定した時点で改めて後期への決意をキャプテンに聞きました! 以下が彼女のコメントです>>

後期下位リーグ全勝します!

後期下位リーグ全勝し、来シーズンにつなげられるよう、またチーム一丸となり、全身全霊をかけ戦います! そしてクラブ、サポートしてくださる方々に応援していただけるような魅力あるチームに成長します! 応援よろしくお願いします!

 

<<ピヴォとして久々に前半から出場したばーちゃんのコメント>>

前プレかけたのはいいけどその裏をいいように狙われた

「今日は(前半から出場という)チャンスをもらえたんですけど、なかなか…。左右に流れて長い縦パスを引き出せたとは思うんですけど、そのあとですね。全体として、ひとりひとりの距離が遠かったりとか、出してみんな終わっちゃってるかな。そこですよね、課題は。それとどんどん前プレかけたのはいいけど、その裏をいいように狙われて。相手はそこへすごいうまいパスが入るんで。崩されてキーパーが止めに出ればかわされるし。ああいうのやりたいですね。自分の課題ですか? チームの苦しい流れを打開できる選手になりたいです。それと試合出場が少ないことで試合勘が失われてて仲間へのパスがよくなかったので、目指せ全試合出場です(笑)!」

 

<<川﨑康弘監督「これから、フットサルの動きをイチからちゃんと教えます」>>

チームの自立が始まったかなと

Pivo! 厳しい結果だが、今の気持ちを。

川﨑 初めの1点獲られたあとのタイムアウトで、“今いい状態だからこのままのペースでいこう”といって再び送り出したら自爆で3点獲られて前半で0-4になってしまった。立ち上がりからもうちょっと崩されるかなと思ったんですけど、0-1まではいいゲームやってました。う~ん、その後の自爆はメンタルだと思いますよ。相手のほうがしたたかだし、ゴールシーンもちゃんと2対1、2対0から決めてるから。

Pivo! 前半と後半の頭の前プレははまってた。

川﨑 と思います。相手もうちの前プレかかったときにパスミスしてた。でも、マイボールになったのに、また自分たちのミスで失点食らう。フットサルに限らず、ミスをしたほうが負けじゃないですか、絶対的に。だからそういう部分でこのスコアはミスの数の差と、今までの経験値の差が現れてるのかと思います。これが現実で、これが1位と下から2番目くらいの違いでしょ、っていう話はしました。
今日ひとり大学生が来たんですけど、55番。練習に1回だけ来て、試合は初めて。あいつは尚美大学でちゃんとサッカーやってて。ムードメーカーではあるけど、ごまかせない。ワンツー、ガッツリやられてるし。チームとしても今のあいつに頼ってるようではダメっすよね。

Pivo! これで前期が終了した。今後はチームをどう立て直す?

川﨑 試合後に選手にいったんですけど、フットサルの動きをイチからちゃんと教えます。ミニサッカーすらできなくなっちゃってるんですよね。パス出したらサポートもいかない。出したら出しっぱなし。マークもずれてる。ミニサッカーで遊ぶにしても、もうちょっとずる賢さが出てきていいし。今、それもできなくなっちゃってるから。これからオレが教えるのはシンプルな(プレス回避策の)エイトの動きとか、クアトロとか。ボール回しを教えて、足を動かせるトレーニングをしていきます。マークとかキックインとか、そういうのはこの2、3年で教えましたけど、もうちょっと動きを教えていかないと、動きの質を高めないと、何していいかわかんなくなっちゃってるから。

Pivo! プレス回避策はしっかりと身につけたいところだ。

川﨑 今日の3失点目が痛かったですね。ゆめとのんのスイッチミスでそのままかっさらわれて。あの(中心選手の)2人がそんなミスしてるようじゃうちはダメです。あそこがポイントだったかな。

Pivo! 選手が自発的に試合のビデオ撮影を始めたそうだが。

川﨑 そうなんです。チームの自立が始まったかなと。くさらず、やっていきます。 

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