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無料記事[Fリーグ2016/2017第31節]シュライカー大阪・木暮賢一郎監督 「チャンピオンになるということはフットサルを楽しませる責任もある」(2017/2/8)

 

SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017 第31節
シュライカー大阪 5-4 湘南ベルマーレ
2017年2月4日(土) 大阪市中央体育館 観客数:2,040人
[得点経過]
1-0 02分17秒 大阪 10 ヴィニシウス
2-0 10分14秒 大阪 5 アルトゥ―ル
3-0 14分28秒 大阪 9 奥田亘
3-1 19分09秒 湘南 15 鍛代元気
3-2 22分06秒 湘南 9 近藤純也
3-3 28分20秒 湘南 10 ロドリゴ
3-4 35分03秒 湘南 10 ロドリゴ
4-4 38分24秒 大阪 10 ヴィニシウス
5-4 39分09秒 大阪 17 今井翔

 

 

 

今シーズンの開幕戦(代々木でのセントラル開催)の試合後の記者会見でキャプテンの佐藤亮選手は1年の目標について以下のように語った。「シュライカー大阪の今シーズンとしては、名古屋オーシャンズさんが9連覇しているこのFリーグの歴史を変えることで、選手だけではなく、スタッフも含め全員がそういう意気込みで今シーズン臨んでいます。口でいうことは簡単かもしれないですし、どこのチームも優勝を狙いますとかそういったことは言葉でいうと思いますが、それをピッチの上で表現できるようにしたいと思います」

周知の事実ではあるが、名古屋セントラル(第30節)ではリーグ1位まであと勝ち点1というところでテバオーシャンアリーナ=名古屋の本拠地で名古屋を下すという大阪にとってはこの上ない状況の中、名古屋に戦いを挑んだが、そのチャンスを逃してしまう。その後の切り替えとして、第31節、大阪はホームゲームで勝利をつかみ取ることで自ら1位を獲得することを考えていたが、その前に前日の府中アスレティックFCと名古屋オーシャンズの試合の結果を受けて、大阪はリーグ1位が決まる。
その中でリーグ1位が決まったことを”ファンの皆さんやサポーター・スポンサーの皆さんと一緒に喜ぶ”ということをテーマにし、この試合も大阪は勝ち切ることを目指した。
試合途中、湘南ベルマーレ(以下湘南)はロドリゴや先日Fリーグ100試合出場を果たした近藤(現在は102試合)を中心に大阪を圧倒、ペースを握った時間帯があった。
会場からは「1位の力がこれか? これでプレーオフ勝てるのか?」という喝の言葉もあった。
実際に選手・スタッフは内容については納得はしていないが、その中でも最後に勝つことができたことは大阪が今シーズン積み上げて来た結果であったといえる。前節で名古屋に負け、無敗記録は止まったが、記録は止まれど、積み重ねがゼロになるわけではない。
ゲームに勝つこと・ホームで喜びを分かち合う・リーグ1位として観客の喜ぶフットサルを観せる使命がある中での勝ち点3に佐藤キャプテンはリーグ1位決定のセレモニーにて観客に感謝の気持ちを述べ、楽しいと思ってくれたならば、残りの試合とプレーオフも観に来てもらいたい旨・一緒に戦ってほしい旨を伝えた。
試合後、試合に来ていない人からは大阪は手を抜いた? ギリギリで勝てた。という声も聞いたが、木暮監督がシーズン当初から話していた全選手を信頼しているという言葉を体現する試合であった。

この試合は木暮監督がもともと(構想上)ベストメンバーの1人であったと語る村上選手のゲームキャプテン抜擢と永井選手の復帰。
それから、今井選手・奥田選手・冨金原選手・仁井選手の活躍。というポジティブなものもあった。もちろんケガの関係、プレーオフのための準備という意味があったが、出場機会をつくるというのみならず、湘南の戦い方も見ながらのいつもの大阪の1人2人ずつ替えるというスタイルではなくセットで替えながらというスタイルも出しながらの戦い方であり、前日の練習でも狙いどおりのスカウティングとトレーニングがリンクした展開と結果であった。
フットサルを愛し続けたからこそ話せる言葉がある。以下は木暮監督のフットサルへの思いとなる。

まとめ◆デジタルピヴォ! 古澤

 

以下は、木暮賢一郎監督とこの試合ゲームキャプテンとなった
村上哲哉選手の記者会見と質疑応答。

村上はもともと2012年のワールドカップが終わった後も少し引退を考えた中、木暮が監督に来るということで選手を続けることにしたのだという。村上にとって木暮は選手時代からずっと追いかけていた人であり、木暮監督の元でリーグタイトルを取るというモチベーションもキープできたので、優勝という形で終われるとベストだと思っていた中、3年という期間を決めて選手生活を続けていた。

試合を振り返って。

 

木暮賢一郎監督
「昨日の時点で(リーグ)1位というのは決まってはいましたが、このタイミングでホームでできるということでファンの皆さんやサポーター・スポンサーの皆さんと一緒に喜ぶためにこの勝利は必要だったので、そういう意味で苦しい時間帯もありましたが、最後皆さんと一緒に喜ぶことができて感謝の気持ちを少し伝えることができたのかなと思います。僕たちは歴史を変えるということで僕も大阪に来ましたし、まだプレーオフファイナルもありますから100%変えたわけではないですけれど、選手・スタッフ・クラブ一丸となって、歴史を変えるという、どのチームも目指している中で、非常に難しいミッションを達成することができたので感謝の気持ちと、みんなで誇りを持ってプレーオフに臨みたいなと思っています」

村上哲哉選手
「本来であれば、今日勝ってリーグ1位を決めたかったというのが本音ですが、昨日の前日の試合の結果で決まった中でリーグ年間1位は決まりましたが、タイトルは何も成し遂げていない中で、プレーオフファイナルラウンドに向けて、残りのリーグ戦の試合はファイナルにつながる大事な試合にかわりはないのでとにかく内容よりも結果でサポーター含めチーム一丸となって戦おうというところでした。内容面ではチームとしては多少納得いかない部分もありましたが、最後結果がついて来たことが年間僕たちが積み重ねて来たことが最後に出たのかなと思います。次節はアウェイ戦になりますけど、引き続き強い大阪を見せて、いい流れにプレーオフファイナルにつなげられたらと思います」

以下は質疑応答

Pivo!:木暮監督はシーズン当初から「誰もが必要だ」という話をされていて、結果的に今日はそれを体現した試合になったと思います。昨日の夜の時点でリーグ1位が決まった結果を受けて、村上選手をゲームキャプテンに抜擢したことも含めて今日の試合のテーマはどういうものでしたか?

木暮:テーマはいくつかありましたが、1つは決まったからといって緩むとか、落とすということではなくて、このホームゲームは何がなんでも勝って、ファンやサポーター・スポンサーの皆さんと喜びたいのが最初にあったので勝つためにという話をまず(選手に)話しました。というのは前回のゲームでシュライカーにとっても、おそらく日本のフットサルの未来にとっても重要な選手(加藤未渚実)がケガをしてしまったので僕らとしては非常に悲しいです。残念な気持ちでいっぱいです。

プレーオフで勝つためには、彼の代わりはいないですが、彼の役割をどうやって埋めるか、そして、今よりフィジカル的にも戦術的にもレベルアップをして、最高の状態でプレーオフファイナルに向かうための今日のスタートということで今まで出場時間が少なかった選手であるとか、代わりを務めていく、そういう可能性も探りながらも、そういう選手への出場機会であったり、自信であったり、全選手が必要だというのをいい続けて来ましたし、そういうゲームをしながらファイルナルの準備をしなければいけないと思っていたのでその2つが大きなテーマです。村上をキャプテンにしたのは彼へのリスペクトとホームゲームということで、もともと決めていたプランの1つでした。

Q:今日の試合は湘南ベルマーレはあえてセオリーと反した戦術をしいたことで、それが効果的だったと話していました。この試合で相手についてどのように感じたのかということと、苦しい時間帯で考えていた戦略はどういったものでしたか?

木暮:10人監督がいれば10通りのスタイルがあると思いますし、正解・不正解は僕はないと思います。それぞれの監督が勝つためだったり、それぞれクラブの目標であったり、自分たちの選手・相手との噛み合わせを考えて、いろいろなものを戦略として練るのでそこに関しては僕は基本的には全監督をリスペクトしています。答えになるかわかりませんが、苦しんだのは事実ですし、今シーズンあたることはもうないですが、もし、同じようなやり方をしたチームが現れたりだとか、その時のためにそういったものを回避するために学ばないといけないゲームであったのは1つだったと思います。シンプルな解決策としては僕らも同じようなことをやればいいと思います。現時点で僕らは1位を決めて、ホームゲームということですから、いいフットサルというか、観ているお客さんであったり、戦う選手だったりがフットサル楽しいなとか、おもしろいなとか、チャンピオンになるということはそういう責任もあると思っていますから、チャンピオンにふさわしい、今の時点ではリーグ1位を決めたチームとしてのゲームをするということです。一番シンプルな解決策をすると観ている人はあまりおもしろくないと思うので。苦しんだのはゲーム中に理解はしていましたが、自分たちの力を信じました。結果パワープレーでしたが、パワープレーも1つの戦略だと思っています。20分やるようなチームもあれば、やらないチームもあれば、そこもスタイルだと思いますが、僕らが戦う理由というのは試合に勝つことだったり、フットサルの魅力を伝えるというのもそうかもしれませんけど、1位を目指す。歴史を変えるというのが大阪のスタイルでしたので、そういう意味では結果勝てたというのは自分たちのスタイルが結果に結びついたのかなと思います。

Pivo!:プレーオフファイナルはまだということで、今は歴史を変えようとする通過点ではありますが、そうはいってもリーグ1位は今までどのチームも名古屋オーシャンズ以外はなし得なかった偉業で、喜びをファン・サポーター・スポンサーと分かち合う中、手応えも感じたと思います。

木暮:自分たちは、僕は2年間というのはリーグの途中で1位になることは難しいシチエ―ションになった時点で、プレーオフでどうやってファイナルまで行くか、どうやって勝つのかという結果になっていて、1年目はファイナルで負けましたし、昨年は1個手前で負けましたしね。その経験含めて、3年目の集大成というところもありますし、プレーオフでファイナルまで行って勝つチームではなくて、リーグで1位になって、プレーオフの決勝に行くということはレギュレーション上すごく大事なことだというのは2年間感じていたことなので、今シーズンはそこを狙いに行ったスタイル。戦い方を常に考えていました。野球でもサッカーでもプレーオフはありますし、自分自身、スペインでプレーオフを経験していますし、その価値観は人それぞれだと思います。リーグの1位をリスペクトする方もいるだろうし、プレーオフがすべてという人もいると思います。それは先ほど話した監督のスタイルの話と同じで。いろいろな人の考え方があっていいと思います。今までのFリーグの歴史でいえば、9回は名古屋がリーグも1位でプレーオフも1位でということを考えれば、リスペクトされてもいいシーズンを僕らは送ったと思います。それは誇りに思っていいと思います。ただ、おそらく名古屋の選手というのは、僕もいましたが、これ(リーグ1位)で終わりではなくて、プレーオフで負けたら、何をいわれるかわからない、とか、積み上げて来たものという思いが今度は僕たちがそういう立場になるわけですから、こういった積み上げた自信とか誇りを持った上でさらに強いチーム、真のチャンピオンになるためにはやはりプレーオフのファイナルでしっかりと勝たないといけないと思っていますので、選手にもいいましたが、プレーオフがあるからまだ喜ぶな、とか、まだ終わっていないということでなくて、リーグ1位は喜ばしいことだと思います。日本のフットサルにとってもそうだと思います。これだけ名古屋が積み重ねて来た中で、初めて名古屋をリーグの年間勝ち点で上回ったチームがいるというのは日本のフットサル界にとっても、ほかのチームにとっても、もしかしたら、ほかのスポーツにとってもすばらしい結果だと思っていますし、そういう結果を出すチームが現れたときに日本のフットサルの次のステップに行くと僕は信じていますので、僕らが優勝すれば、何かが変わる。フットサルはよくなるんじゃないか。そういうふうに信じてやって来たので素直に喜んでいいと思いますけど、終わってないので。真のね。誰からも認められる、リスペクトを受けられる結果を得るにはファイナルで1勝というところに対して今から全力で準備をしたいと思います。本当に全選手・スタッフにおめでとうと心の底から思っていますし、胸を張っていいんじゃないかなと思っています。

村上:シーズン当初からリーグ1位でプレーオフで優勝というぶれない目標というのは常々監督からありましたし、選手の中でもシーズン通して意識があって戦えたからこそこの結果を成し遂げられたと思っているので僕自身も誇りを持っていますし、この仲間とプレーオフファイナルで最後勝って、ファン・サポーター・スポンサーとこのチームに関わるすべての方に捧げてシーズンを終えれるようにリーグ戦残り2試合いい準備をして過ごしていきたいと思います。

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