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[山下コラム]川元監督に問う、デフフットサル日本代表に世界王者イランを倒す秘策はあるのか!?(2017/5/24)

秘策を胸にイランを倒し世界一を獲りにいく川元剛デフフットサル日本代表監督。エースの船越弘幸とは小学生時代から一緒にサッカーをやってきた仲だ。

 

デフフットサルワードルカップ2019で世界に自らの存在を誇示しようと企むデフフットサル日本代表(3月16日の日韓戦で撮影)。

 

前プレは日本の生命線だ!!

秘策は、ある。だが、まだ結果を出していない。でも手応えはある。それがデフフットサル(聴覚障害者)日本代表の川元剛監督の本音だ。その秘策とは何か、ずばり、前からのプレスによるアグレッシブなディフェンス、いわゆる、前プレだ。健常者フットサルでは今や当たり前のこの戦術がどうして秘策たり得るのか。「前プレは日本の生命線だ」といい切る川元監督だが、その理由はどこにあるのか。はたまた、2019ワールドカップにおいてその策で圧倒的な強さで世界一に君臨するイランを破ることができるのか。5月の初めにこの件で川元監督と話す機会を得た僕は、ビッグニュースを読者に伝えたくて、さっそくコラムにまとめてみた。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

デフフットサル日本代表・船越弘幸「アジア予選で準優勝し2015年W杯出場権、獲得しました!」(2014/10/6)https://www5.targma.jp/pivoplus/2014/10/06/post11505/

 

2015年W杯、優勝はイラン、日本は7位
「アジアを制した国が世界を制す」

前プレに関する疑問を解明する前に、アジアの、そして、世界のデフフットサル界のパワーバランスについて確認しよう。

2014年8~9月、イランのテヘランで2015年デフフットサルワールドカップのアジア予選が開催され、日本はイランに次いで準優勝し、ぎりぎりワールドカップ出場を決めた(詳細は上記リンク記事参照)。そして、ワールドカップでは7-8位決定戦でブラジルに勝って7位に入った。優勝はイラン、準優勝はタイだった。これにロシア(3位)、イタリア、オランダが続いた。「アジアを制した国が世界を制す」といわれるゆえんだ。

では、イランのストロングポイントはどこにあるのか。川元監督の解説を聞こう。

「イランは昔ながらのスタンディングのフットサルです。出る選手もイランとロシアに関しては、6人回しぐらいですけど、その6人のフィジカルと、最初のころの名古屋オーシャンズ(Fリーグ)じゃないですけど、前(ピヴォ)とフィクソにかなり屈強な選手がいて。それにイランのゴレイロは世界でもナンバーワンだと思うんです。どちらかというとイゴール(Fリーグ・ペスカドーラ町田のゴレイロ)のようなタイプというか、はい、なので、ちょっとレベルが違うのが実情です」

フィクソとピヴォという、縦のラインが非常に強いという話を聞くと、ヘイダリアンとシャムサイーの2人がチームを支えていた当時の健常者のイラン代表と全く同じ印象を持つ。

「そうだと思います。イランの場合は強化を協会というよりも国を挙げてやってるので。実際にイランの健常者の代表とデフの代表というのは普通に一緒に練習したり試合したりしているんです。監督も両方同じ監督が見てるので。とにかく日本では想像もできないほど人気があるので、テレビ局が取材に来るのは当たり前ですし、当然、生放送ありという状態のようです。ちょっとケタが違いますね」

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