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無料記事:シーズンを通して積み上がっていけば、十分プレーオフ・選手権とシーズン終盤で結果が出てくるのではないかなと思います。[Fリーグ第2節](府中・谷本俊介監督)(2017/6/19)

 

DUARIG Fリーグ2017/2018 第2節
シュライカー大阪 3-4 府中アスレティックFC
2017年6月18日(日) 住吉スポーツセンター 観客数:1,081人
[得点経過]
0-1 01分17秒 府中 5 皆本晃
0-2 14分31秒 府中 21 柴田祐輔
1-2 23分41秒 大阪 10 ヴィニシウス
1-3 25分03秒 府中 5 皆本晃
1-4 25分31秒 府中 13 渡邉知晃
2-4 35分05秒 大阪 14 相井忍
3-4 39分42秒 大阪 10 ヴィニシウス

 

昨年12月のリーグでの府中アスレティックFCホーム・シュライカー大阪のカードのときと同様に今節もクロモトのナイスセーブも目立ったが、今回は府中の大阪・ピヴォ対策であるパスコースの限定に、谷本監督のいうところの波状守備が効いていた。また、チームを牽引している皆本の先制ゴールを含む2ゴールが勝敗を大きく左右した。スコアとしては府中が試合開始早々に先制をし、柴田がテクニカルシュートを決めて追加点を獲り、前半を折り返すと、最後までリードを保つ。最後のダメ押しともいえる決勝点となった渡邉知晃のボレーシュートにより、被パワープレーの時間帯で2失点しつつも、大阪から逃げ切ることに成功をした。
府中としては開幕戦でナイスゲームをした中での敗戦を引きずらずにディフェンディングチャンピオンから貴重な勝ち点3を手に入れる。
ただ、ゲームとして府中はチャンスとポゼッションと大阪より下回っていた。今節は勝ちにこだわり、谷本監督の言葉を借りると”ねずみに徹した”府中の勝利となった。チームが成熟してきた中で、チームとしては内容のところを改善しつつ、シーズン終盤でのいい結果を目指す。府中は今シーズン、コンスタントに勝ち点を稼ぎ、また、ナイスゲームをしながらの取りこぼしをどれだけ減らせるか。プレーオフや全日本選手権ではもう少しのところで望んだ結果を得ることができなかったが、両大会ともにチームは腐らずに最後まで闘い抜いた経験が今シーズンにいかせるか、谷本監督の手腕に注目したい。

まとめ◆デジタルピヴォ! 古澤

 

 

以下は谷本俊介監督の記者会見と質疑応答。

 

 

試合を振り返って。

「お疲れ様でした。前節である開幕戦は負けているので今節はどう立て直すかというところで、しかも、先週は名古屋さんで今週は大阪さんということでかなり厳しいことを想像していましたが、想像以上の厳しさでした。ただ、その中で選手がハードワークをしてチーム一丸となって戦ってくれたおかげでこの結果がつかめたと思いますし、内容としては大阪さんが攻撃的に支配するゲームとなってしまいましたが、そこでどれだけ対抗できるか。守備の部分は最後まで粘り強く、体を張ってキーパーを中心に守れたと思いました。特にピヴォにいかに当てさせないか、当てさせたあとの対応としてミスが少なかったことが失点が減らせたということになると思います。反省点としては自分たちの攻撃になったときにいかにしっかりボールを保持して相手の攻撃の時間を減らすのもそうですし、自分たちが点を獲る。攻撃を組み立てるところが思ったほどできなかったところが残念だなというふうに思います。ただ、勝負はどんな形であれ、結果がすべてだと思います。先週いいゲームをしておきながら勝ち切れなかった中、今週はどんな内容であれ勝ち切ろうと勝負に徹したところが1番の勝因だと思います。昨シーズンのチャンピオンからせっかく得られた勝ち点3を無駄にしないように来週浦安さんとアウェイゲームとなりますが、今日の感触を忘れずに、また来週も勝てるように頑張ります」

 


府中の三井健選手がこの試合でFリーグ通算 100試合出場を達成する。

 

 

 

 

 


柴田は昨シーズン、数々のテクニカルシュートを決めたが、今節もテクニカルシュートを決めてみせた。

 

 

 

以下は質疑応答となる。

Q:ピヴォ当てをうまくさせないために具体的にしたことは?

谷本:ピヴォが比較的ボールサイド、縦に流れてくることが多いのでそこをしっかりケアして、その分ピヴォが縦にパスコースがないから中に動いたときにタイミングを合わせて前に入る。そういう動きでピヴォへのパスコースを限定していきました。2つ目にはピヴォに当たったあとはマンツーマンでしっかりついていく。裏を取られそうになったら手を使って押しのけて少しでも対抗していく。さらにカバーリング。逆サイドのしぼりを徹底してコンパクトな状態で守れれば。あとは最終的にかわせれた場合にすばやくカバーリングをする。波状攻撃の逆で”波状守備”というか、ドンドンドンドン次の選手がアタックすることで、相手のシュート場面、ゴールの可能性を減らせたのではないかなと思います。

Q:攻撃がうまくいかなかった要因としては? 次の試合に向けての修正点も。

谷本:まずは相手のプレッシングのよさを褒めないといけないと思います。お互いの攻防ですので、自分たちが相手を上回らないといけないのですが、相手の幅であったり、寄せであったり、そういうものがあるので技術ではがしていくのは難しい部分もありました。1つ大きなこととしては勇気を持つこと。慌てずにしっかりとボールを持って、簡単に前にボールを蹴るのではなくて。あとはボールを持っていない選手の駆け引きがもう少し必要かなと。相手のプレッシングが前から来ていたので、長い距離を走って裏を取りにいく形が多くなっていたのですが、そこをしっかりと駆け引きをして、フェイクで止まって、サポートをつくるということができればと思います。後半は1回2回ほんとうに少なかったですけど、できていたのもあったので、その成功のシーンを来週に向けて繰り返し見せていければ問題ないと思います。あとはピヴォの当て方の部分でまだまだ課題があるのかなと。どうしても体が横向き、後ろ向きの状態で受ける場面が多かったので、そこがしっかりと前向きで受けれる状態になれば、ピヴォへのコースも見えると思うのでサポートの立ち位置であったり変えていかないといけないかなと。あとは先ほどもいった勇気のところ。際どいコースでも浮かして狙うだとか、股を通して狙う。ダイレクトで狙うとか、難易度が高いプレーも心がければ、うちにも2人3人といいピヴォがいるのでその選手に当てることで前進することができると思います。

 

 

Pivo!:昨シーズン、リーグ戦とプレーオフに全日本選手権とクラブが目指している結果はなかなか出ませんでしたが、メンバーが変わらない中で積み上げてきたもの。変えていく部分。それから今シーズンの補強のプランについて。

谷本:昨シーズンからの上積みに関しては新しいことや新しい選手でなく、継続してきたことを大事にしています。今うちは大分、機が熟して来ていると思います。皆本晃の世代。渡邉知晃だったり、上福元であったりあの年代がようやく中心としてプレーできるようになりました。長くプレーしてきた小山剛史であったり、彼もすばらしいタレントを持っていましたが、より野心・向上心を持った若い選手、今回連れてきた内田であったり、花嶋であったりサテライトから昇格させた選手の勢いにかけました。シーズンを通して積み上がっていけば、十分プレーオフ・選手権とシーズン終盤で結果が出てくるのではないかなと思います。補強に関しては今までクラブのために頑張ってくれた選手にかけたということであえて補強はしませんでした。

 

 

Pivo!:花嶋選手は2年前は都リーグ(ぺスカドーラ町田アスピランチ)の選手でした。体は大きくなり。フィジカルも強くなり、ドリブルの緩急、勝負強さ・度胸と変化を感じました。この1年(府中アスレティックFCサテライト)で大分伸びたということですか?

谷本:そうですね。サテライトで愚直に上を目指して、人一倍努力をし続けていたことが生きていると思いますし、もともとタレントとして、いいものを持っていると信じていました。彼はスピードがあるので、駆け引きの部分でシンプルに裏を取るだとか、フェイクで間で止まってということを好んでいます。今まではうちは大柄でフィジカルが強いガチガチの選手たちが多かったですが、最近でいうと関尚登であったり、花嶋であったり、そういう選手もいることで味のあるフットサルを展開していきたいなという思いがあります。今日のプレーに関してはできることをやってくれたなと思います。今後もっともっとできると思います。まだ慣れがないのでこちらも自信を持って送り出せないですが、少しずつ出場時間を増やしていって、十分まだまだ代表とかにも入っていける可能性のある選手だと信じていますし、彼に限らずそういった選手もこれからも増やしていきたいと思います。

Q:開幕戦いいゲームをした中での敗退。どのようにモチベーションを戻したか。

谷本:今週のモチベーションに関しては、選手たちには決して悪いゲームではなかったという話をして、負けたとしても3-4とか5-6とか撃ち合いのゲームであればうちらしくない。0-1のロースコアのゲームというのは頑張りを保っていたと思うので、自信を失わないでほしいと。ただ、チャンスを決めきれなかった部分で、そこは大きな反省点で永遠の課題でそこに関しては選手たちにはすごく厳しい言葉をかけました。リーグ戦なので、1試合負けたということは勝ち点計算でいえば残り32試合勝てばそれは取り戻せるのですが、負けた1試合は2度と返ってこないのでそのことを受け入れて忘れない。そうでなければ、同じようなゲームをやり続けてしまう。僕自身過去4シーズンやっていますが、これまでに惜しかったね。もったいなかったね。というゲームを、特に上位チーム相手に繰り返してきたので、もうその思いはしたくないという話をして、今週は内容はどうあれ勝つゲームをしようという話をしました。今日の試合に臨むにあたっては「窮そ猫をかむ 」という言葉をかけました。僕らは残念ながら今の大阪さんとの実力差は大きい。劣っているかもしれない。そこを認めよう。でも、追い詰められた弱者の戦い方ではないけど、勝つことに徹すれば、猫をかむことも食い倒すこともできるであろうということで、今は残念だけど、ねずみに徹して、そういうプレーをさせました。その割り切りがある意味この勝利につながったのではないかなと思います。

Q:大阪対策について。今シーズンの大阪の印象を。

谷本:補強をされて、より攻撃的なタレントが多くなって、その印象どおり、前の圧力というか推進力はすごく高いものがあるなと感じました。セットプレーもいろいろな場所からシュートが撃てる、パワーシュートも多いですし、抑えるところが多くて、注意を払わないといけなくて、神経をすり減らした部分はたくさんあります。また、木暮監督とは日ごろからコミュニケーションを取らせてもらっていますが、木暮監督は知識も戦術も豊富なので、特にパワープレーではいろいろなバリエーション使いわけてしっかり点につなげてきたなという印象はあるので、うちが3点リードを保っていたのが幸いだったなと思います。攻撃的なチームがより攻撃的なチームになったという印象を受けました。

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