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求めているのはひとつ。大阪の真の姿を神戸の悪ガキ共が引き出す関西ダービー[Fリーグ第16節](2017/9/21)


2017年9月16日、岸和田 (PHOTO,TEXT・佐藤功)

▼そこに住む者の特権

関西のサポーターは幸せである。9月8日、グリーンアリーナ神戸での共同開催には裏の顔があった。シュライカーはデウソンを、デウソンはシュライカーを。直接の対決ではない、互いの指揮官が互いを視察し、互いに威嚇する戦いがあった。それはサポーターも同じ。神戸サポーターはヴィニシウスを完封するストーリーを思い描き、大阪サポーターは岡崎チアゴが沈黙する姿を想像した。

迎えた9月16日、大阪のモズと神戸のワシが刺し合う姿は画面で見ることができない。関西ダービーは、この岸和田に訪れた者のみが知る特権。1週間に渡る戦いの結末は、この空間に居合わせた者だけに提供される。

あれから1週間、岸和田に攻め込んできたデウソン神戸は血気盛んなワシが中心。最年長は稲田瑞穂、31歳。成熟した松宮充義、村山竜三はベンチにいない。最年少は山田慈英、18歳。出場停止で岡崎チアゴを欠いた鈴村拓也監督は、30代ひとり、10代ひとり、あとは20代を揃える決断をした。平均年齢24.8歳。鋭い目つきで威嚇する姿は、悪ガキそのものだった。

あれから1週間、モズは自らの巣、岸和田に戻って来た。威勢のいい悪ガキ共を、さらりといなすシュライカー大阪も実は若い。出場はなかったが19歳の齊藤日向がベンチに入り、平均年齢は26.7歳。だがこちらは木暮賢一郎監督の佇まいが示すように、若くとも王者としての品格を持っている。クレバーかつ冷静に、そして圧倒的な力を誇示する。

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