久保憲司のロック・エンサイクロペディア

【世界のロック記憶遺産100】 ルー・リード 『メタル・マシーン・ミュージック 』 「あなたはこのレコードをコントロールできない」 ・・どんな批評も受け付けない機械による機械のための音楽

Metal Machine Music

「世界のロック記憶遺産100」では絶対聴いておかなければならないロックのアルバムを100枚紹介していきたいと思います。

今はyoutubeでなんでも聴けるからいいですね。アップしてる人がマスタリングしているのもあって、オリジナルより音がよくなっているのもあって「あれっ」と笑うこともよくありますが。

どうやって弾いているのか分からないギターのフレーズもyoutubeで検索していけば解明出来たりします。ネットの力というか、たくさんの人の力ってすごいなと思います。

そうやってみんなで仲良くやっているのに、「間違っている」とか「そうじゃない」と喧嘩腰に言ってくる人がいます。そういう人たちは大体気が狂っています。ネトウヨとか左に凝り固まった人たちと同じメンタルを持っているような気がします。

全部同じ人なんじゃないかなと思うことが多々あります。1種の精神病なんでしょう。仲間に入りたいのに入れないから、ああいう攻撃をするのでしょう。そして、すぐに「在日だ」「論破」「俺の方がファン」とか叫びます。

左系で狂っている人はなんて言うんですかね。「それはヒヨっている」とかですか。左のほうがましですか、人種差別じゃないだけ。でも、どっちもウザいですね。

どんどんブロックしていけばいいだけなんですけど。世界から消えていくから。

そう思っていても一言言われると5分くらいイラっとします。「アホになんで俺の5分殺されなあかんね」と思いますが、仕方がないことなんでしょう。てなことを考えていたら、ルー・リードのメタル・マシーン・ミュージックのことを思い出しました。

 

 

「ロック、本当はこんなこと歌ってるんですよ」でルー・リードのことを書いたのと、僕も参加しているC.R.A.Cというアンチ・レイシズムのグループが人種差別主義者へのカウンターにルー・リードの『メタル・マシーン・ミュージック』などのノイズ・ミュージックを使ったからです。

カウンターと呼ばれる人たちは人種差別主義者の「朝鮮人は帰れ」などの人種差別的なメッセージに、「死ね」とか「ぶっ殺すぞ」とかの汚い言葉を使って、奴らのヘイトを打ち消してきたんですが、そういう行為を「どっちもどっちと」批判する人もたくさんいます。しかし、今回のノイズしばきには何の批判も起こりませんでした。ふざけているのかという声も起こりませんでした。

それくらいノイズというのは凄いんだなと僕は理解したのです。なぜ今もノイズ・ミュージックが愛されるのかが分かったのです。今も賛否両論に分かれる『メタル・マシーン・ミュージック』の本当の意味が分かったのです。
ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート(紙ジャケット仕様)どんな批評も受け付けない機械による機械のための音楽。ルー・リードが『メタル・マシーン・ミュージック』を作った理由はこれだったのではないでしょうか。

『メタル・マシーン・ミュージック』という音楽がなぜ生まれたのかは色々言われています。元々はドローン・ミュージックだったのでしょう。ヴェルヴェッド・アンダーグランドの「シスター・レイ」などのノイズもまさにこれの延長だと思うのですが、すごく大事なことを僕たちは忘れていたと思うんです。それを僕はC.R.A.Cのノイズしばきで思いだしたのです。

『メタル・マシーン・ミュージック』のノイズって、ウイリアム・バロウズのノイズなんです。えっ、ウィリアム・バロウズがノイズ・ミュージックをやっていた?という声が聞こえてきそうです。やっていたんです。しかもC.R.A.Cと同じようにノイズを使って気に食わない人にノイズをぶちかましていたんです。

裸のランチ バロウズがやったノイズ攻撃で有名なのはロンドンのカフェ・モカに対する攻撃です。カフェ・モカはイギリスで一番最初にエスプレッソを出した店として有名で、今のロンドンでいうとバー・イタリアみたいな若者文化の発信ので。たぶん働いていたボーイにふられたとか、ゲイだからじゃけんに扱われたとかいうささいな理由だと思われます。「有害なチーズケーキを売っている」とも言っていたそうですが。バロウズはそのカフェの周りの音を録音して、次の日にそれを爆音でかけるということをしていたみたいです。

そうすれば時空間を変えれるとかそういう妄想にかられてたんでしょうね。「お前のSF小説か」とツッコミたくなりますね。

その場所を写真に撮るという行為も攻撃と考えていたみたいですね。写真を撮る行為を攻撃と考えるって、ネトウヨの奴らと一緒ですね。同じ部分を病んでいるんでしょうね。オウムの人らもそういうことやってましたね。

20 Jazz Funk Greats本当に効果があるのかどうか分からないですが、カフェ・モカは移転して名前も変えました。

あと、バロウズが攻撃していたのが、サイエントロジーのロンドン支部なんですが、こちらも場所は移転しました

『メタル・マシーン・ミュージック』にはこのバロウズのノイズに対する考えが絶対入ってます。

なんとバロウズがカフェ・モカに攻撃を加えている時、ルー・リードはカフェ・モカの近くで『トランスフォーマー』を録音していたのです。ルー・リードがノイズを流しているバロウズを見かけて、「何してるの?」と声をかけていた可能性がありますね。
Voice of Americaこの観点から聞きなおしてみてください。これでポスト・パンク、インダストリアル・ミュージックのスロッピング・グリッスルのノイズの意味が分かったのではないでしょうか。僕はスロッピング・グリッスルのノイズって、パンクを通過したから、新しかったと思っていたのですが、ちゃんとバロウズが入っていましたね。79年とか80年にスロッピング・グリッスルとキャバレー・ボルテールがバロウズをイギリス、ヨーロッパに呼んでイベントしていた意味がよく分かりました。

『メタル・マシーン・ミュージック』はみんなが思う以上にとっても重要なアルバムなのです。

ルー・リードの言葉でいうとこれです。

「『メタル・マシーン・ミュージック』は唯一リスナーを攻撃するレコードだ。聞いているときは何も考えられない。これはあなたを破壊する。考えをまとめることができなくなる。これがあなたに何をしているのか、理解することさえできない。まさにその惨めさをはぎ取りたくなる。あなたはこのレコードをコントロールできない

あなたはこのレコードをコントロール出来ないって、かっいこいいすね。バロウズの小説ぽいです。誰かにコントロールされているという妄想はドラッグ中毒ですけど。でも、現在のインターネット社会の現実と妄想がごっちゃになった世界を予想したバロウズぽいこのルー・リードの発言は今の僕らにグサッと突き刺さりますね。全て書き換えられていくネット社会で唯一書きかれられないのは(コントロールされないのは)ノイズだと言っているかのようです。

ルー・リードは亡くなるすこし前くらいからまた『メタル・マシーン・ミュージック』をやりだしていますが、こちらの方は現代音楽に戻った感じでやっています。

 

 

『メタル・マシーン・ミュージック』を録音した時のルー・リードは異常だったとしか思えません。

しかし、歴史に残るアルバムです。

ノーベル文学賞をとれるくらいレベルの高い人たちがやっていたアホな行為、それに意味があるか、ないか、信じるかしんじないかはあなた次第です。

なんてね。

 

 

こちらクラシックの人たちによる「メタル・マシーン・ミュージック」の再現ライブ。

オリジナルも、ルーが晩年やりだしたのも、これも基本の音はEですね。さすが、ギターリスト、ルー・リード。

 

 

 

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