ジョニー・ロットンがラモーンズにおしっこ飲まされた話とディアハンター 『フェイディング・フロンティア』 (久保憲司) 【今週のヘッドハンターズ】
毎週新しいアーティストや新譜を紹介しようというコーナーです。ヘッドハンターという名前をつけさせてもらってます。
今週は僕の大好きなアメリカ、アトランタのバンド、ディアハンターの5枚目『フェイディング・フロンティア 』が10月16日にリリースされたので、「これがいいぞ」と紹介したいと思ったのですが、残念ながらぼくてきにはちょっと弱いかなと思ってしまいました。
僕がディアハンターを大好きなのはサイケというか狂っているなという感じが好きなのです。
ぼくの一押しの曲はこの曲です。
ディアハンター「Agoraphobia」
“来て、来て、ぼくのために”と歌っているんですが、なんで来て欲しいんだろうと聞いていると“毎日2回食事を与えてくれ”
「うわっ、精神病院の歌か」と思ってしまいました。
“夢を見たんだ。もう僕は自由じゃないって。僕が見たいのはコンクリートで出来た4つの壁だけ”
うわっ。
ひきこもり願望でしょうか。でもなんかこの曲を聴いていても暗くならない、心地いいんです。
この曲は『マイクロキャッスル 』と言う3枚目のアルバムに入ってます。まずディアハンターを買うならこのアルバムからですかね。
ディアハンター、ブラッドフォード・コックスが「B-52’Sとブリーダーズとステレオ・ラブを足したバンドやりたい」と言っていた頃、2枚目『Cryptograms』が僕は一番好きですが。「B-52’Sとブリーダーズとステレオ・ラブを足したバンドやりたい」と言うだけでかっこいいしょ。そして『Cryptograms』を聴くと、なるほどと思うのです。僕もブラッドフォード・コックスみたいに純粋な気持ちでバンドやりたいと思いました。
新作『フェイディング・フロンティア』からのベスト・トラックは「スネイクスキン」ですかね。ディアハンター初のファンク・ナンバーです。LSDやった歌でしょう。“肌が蛇みたい”って、そりゃトンでたらそう見えることも多々あります。
狂っていてもどこか可愛い感じがしてそれがいいんです。それはヴォーカル/ギターのブラッドフォード・コックスのキャラかなと思います。
彼はゲイで、とっても痩せていて背が高いんです。どことなくラモーンズのジョーイと似てます。体型だけじゃなく、性格も似てそうです。背が高いのに、どこか弱そうで(痩せているからでしょうが)、押しが弱く、引っ込み思案、でもしゃべるとすごくフレンドリー、でもよく聞くと暗いことばっかり言っている。しゃべっているとちょっとバカにされているのかなと思うこともあるんですが、でもそれは彼のユーモアで、どんだけ人を皮肉っても、本当にこの人はすごく優しいんだろうなと思わせてしまう暖かさがジョーイにはある。
ブラッドフォードとは電話で一回しかしゃべったことしかないいんで、本当にジョーイみたいな感じがどうか分からないですが、でもそんな感じがしました。
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