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森山佳郎らしいチーム/U-17ワールドカップ・初戦

広島ユースが生んだ最高のファンタジスタ=前田俊介。久保建英のプレーを見るたびに、俊介を思い出す。まだまだ、俊介を諦めきれない。(2004年 6月5日、ヤマザキナビスコカップ対C大阪戦に出場した、まだ高校3年生の前田俊介)

 

U-17日本代表の戦いぶりを見ながらつい、黄金期の広島ユースの戦いぶりと重ね合わせてしまった。それほど、そのサッカーは2003年〜2004年に森山佳郎が表現していた広島ユースのサッカーに似ていた。少なくとも筆者は、そう感じた。

森山監督の真骨頂は、もちろん攻撃である。ミハイロ・ペトロヴィッチがトップチームの監督に就任以降は、トップチームに合わせてポゼッション志向に傾いたが、元々は横パス・パックパスをそれほど使うタイプではない。ボールを持ったらまず縦。ダイレクトパスでDFを翻弄するというよりも、ドリブルで打開し、前で起点をつくってそこに後ろからどんどん絡んでいく。それが、森山監督のベーシックな戦術だった。攻撃か守備かで言えば、明らかに攻撃的。スイッチが入った時の迫力は類を見ないが、一方でカウンターを食らいやすい。2003年の広島ユースは公式戦でわずか2敗だけだったが、そのうちの1敗が高円宮杯準決勝・静岡学園戦で、全体が攻撃にかかる中でのカウンター一発にやられた。その年のJユースカップ決勝でも前田俊介の大爆発で6点をとりながらもカウンターから3点を失う出入りの烈しさ。U-17日本代表が表現したサッカーも、そんな「森山色」がいい意味でも厳しい意味でも、表現されていた。

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