「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-10[A] ザスパクサツ群馬戦『手にするはずだった勝利』(2016/04/30)

2016年4月29日(金・祝)
J2第10節 ザスパクサツ群馬 vs 東京ヴェルディ
19:34キックオフ 正田醤油スタジアム群馬
[入場者数]3,234人 [天候]晴、弱風、気温11.4℃、湿度54%

群馬 2‐2 東京V
前半:1‐2
後半:1‐0
[得点]
1‐0 常盤聡(5分)
1‐1 井林章(30分)
1‐2 澤井直人(34分)
2‐2 高橋駿太(75分)

●東京Vスターティングメンバー
GK1  柴崎貴広
DF2  安西幸輝(84分 平本)
DF23 田村直也
DF3   井林章
DF16 中野雅臣
MF28 楠美圭史
MF8   中後雅喜(71分 高木純)
MF10 高木善朗(45+2分 南)
MF14 澤井直人
FW29 北脇健慈
FW7   杉本竜士
(ベンチメンバー:GK26太田岳志。DF5平智広、6安在和樹。MF11南秀仁、30高木純平、33渡辺皓太。FW25平本一樹)

監督 冨樫剛一

■アクシデントの連続

ピッチの外でドクターのチェックを受けていた安西が、手に持つ黒のレガースを地面に叩きつけた。84分、2‐2の状況。自陣ゴール前で柴崎と交錯し、左足を負傷した安西にプレー続行不可の判断が下される。東京Vは前半終了間際に鼻骨を骨折し、途中交代を余儀なくされた高木善に続き、またしてもアクシデントで選手を失った。

さて、冨樫監督はこれにどう対処するか。安西が負傷する直前、平本に準備をするように指示が出ていたが、プランを変更するかもしれない。すでにふたり選手を代えており、最後に残された貴重なカードだ。ほどなくして、タッチラインのそばに立ったのは平本。冨樫監督は勝ちにいく構えを崩さなかった。北脇を右サイドバックに移し、安西の抜けた穴を埋めた。

だが、この指揮官の果断も実らない。東京Vは余力に乏しく、群馬の攻撃を辛くもしのぎ、同点のまま終了のホイッスルを聞いている。

気温11.4℃。これまでの経験で、春の北関東をナメてはならぬとマウンテンパーカーを着込んでいったが、それでも到底防ぎきれない寒さだった。

「勝てなかったことがすべて。いまは内容より結果。結果を出すことでしか変えられないものがある。逆転し、追加点を取らなければいけなかった。勝てた試合だったのに残念です」

と語る高木善は、あらためて非凡な能力の持ち主であることを示した。1点目、「相手のマークが緩く、ゴールに向かうコースを切ってこなかったから」と狭いところをドリブルでこじ開け、井林のゴールへとつながったプレー。2点目、裏に抜け出す安西に放ったロングパス。キッカーを務めるセットプレーでも、「キックのフィーリング、芝の深さもちょうどよかった」とチャンスを演出した。

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