「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【フットボール・ブレス・ユー】第7回 小林祐希とジャパンブルー ~2016年の君たちは~(2016/06/01)

第7回 小林祐希とジャパンブルー ~2016年の君たちは~

5月26日、日本代表のメンバーが発表され、小林祐希(ジュビロ磐田)が初選出された。背番号は24。6月3日、日本代表はキリンカップサッカー2016のブルガリア代表戦@豊田スタジアムに臨み、その結果によって7日はボスニア・ヘルツェゴヴィナ代表、もしくはデンマーク代表@市立吹田スタジアムと対戦する。いよいよ、ついに、とうとう、やっとこさ、もたもたしやがって、艱難辛苦を乗り越え、さまざまな形容の仕方があるだろう。2016年初夏のみぎり、小林祐希がジャパンブルーのシャツに袖を通す。

2013年冬から2015年春にかけ、僕はフットボールチャンネルというWEBサイトで『2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って』という長編シリーズに取り組んでいた。その頃、取材活動の中心である東京ヴェルディではうんざりすることばかりで、つまんねえなと鬱々としていたのだが、仕事を面白くできるどうかは自分次第の稼業。外の空気を吸いたい気分も手伝い、前々から構想にあったプロと大学の両にらみの追跡取材に着手した。

これが取材も楽しければ、書くのも楽しいサイコーの仕事だった。それぞれのキャラクター、生き方は、まさに十人十色。「最高のチームメイト。でも、おれら、サッカーがなければ友だちになってないですよ。ピッチの外では、気が合わないにもほどがある」と渋谷亮(鈴鹿アンリミテッドFC)は言い、まあ、そうだろうなと思った。

「ほんの軽い気持ちで付き合って」と言っただけで気前よく伴走させてくれた彼らに、僕は感謝しなければいけない。大学卒業と同時にライター業を始め、そろそろ20年選手。忘れかけていた、わくわくする気分を思い出させてくれた。なお、このシリーズは書籍化を試み、計7つの出版社にアタックしたが、きれいに全滅。要は、僕の力不足だ。継続取材中で、再チャレンジの機会をうかがっている。あちこちで粘っている92年組の姿を見せられ、こちらも早々に投げ出すわけにはいかない。

2014年12月30日。年末恒例のファミリーサッカー大会に集まる92年組。主だったところで、渋谷亮(鈴鹿アンリミテッドFC)は私用で欠席。 写真提供=大木暁。

2014年12月30日。年末恒例のファミリーサッカー大会に集まる92年組の面々。主だったところで、渋谷はこのとき私用で欠席となった。 写真提供=大木暁

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