【無料記事】【練習レポート】ヴェルディへようこそ!(2016/06/30)
■「きれいに終わりたくなかった」(二川)
トレーニングでは、味方の動き出しを見逃さない、さすがのパスセンスを随所に見せた二川。プロ17年間で培った、パッサーとしての異能を今後さらに発揮していくだろう。以下、練習後、集まった報道陣との一問一答だ。
――今回の移籍の経緯について聞かせてください。
「ガンバのトップで試合に出る機会が減り、やはり勝負の懸かった試合がしたかった。そういうことを考え始めたのは、昨年の冬くらいからですかね。そろそろなのかな、出たほうがいいのかなという思いはありました。ヴェルディからオファーをいただき、チャレンジする気になった。ありがたいです」
――ヴェルディの印象は?
「明るく、元気がある」
――サッカーのスタイルについては?
「ボールをつなぎ、相手を崩していくサッカー。ガンバと似ている部分があり、違和感はないですね。試合に出たら、ゴールに絡むプレーを増やしていきたい」
――昨日、移動中の新幹線ではどんなことを?
「さみしさだったり、不安だったり。向こうでなじめるかなあと」
――わくわく感も。
「わくわく感は少なかったですね」
――二川選手はG大阪を象徴するプレーヤーのひとりです。ガンバ一筋のキャリアを望む方々は少なくなかったでしょう。
「きれいな終わり方をしたくなかった。最後、みんなから盛大に見送られて去る。そんなの恥ずかしい」
――場所がどうあれ、現役でプレーすることにこだわった。
「身近で引退された方が何人かいて、『やれるなら現役のほうがええで』と、みんな言います。そういう話を聞いても、やれるだけやりたいなと思う。急にガタがくるかもしれないですけど、自分のプレーができるうちは」
――見慣れない緑のシャツですが、案外すんなり溶け込んでいるように見えました。ご自身ではどう感じますか?
「わからないです。自分のことは見ていないので。そもそも鏡というものをあまり見ない」
――背番号は32。
「空いているなかで、自分に縁のある番号を選ばせてもらいました。ガンバで1年目に付けた背番号です」
そうして取材対応を終えた二川が外に出ると、たちまち大勢のファンに取り囲まれた。なかには大阪からやってきたサポーターもいたそうだ。
「フタ(二川)のプレーを見て、ラモス(瑠偉)さんとやっていた頃を思い出したね。適切なタイミングで走れば、ちゃんとパスが出てくる。『いまのはおまえの動き出しがよかったから使ったんだよ』、『いちいちこっちを見るな。全部わかってるから』などと、よく言っていたものです。気になっていたコンディションも問題ない」と冨樫監督。北九州戦でいきなりの出番もありそうだ。