「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-25[H] ザスパクサツ群馬戦『その手は何のために』(2016/07/25)

2016年7月24日(日)
J2第25節 東京ヴェルディ vs ザスパクサツ群馬
18:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]3,739人 [天候]晴、弱風、気温27.3℃、湿度59%

東京V 1‐2 群馬
前半:0‐0
後半:1‐2
[得点]
1‐0 高木善朗(66分)
1‐1 高瀬優孝(68分)
1‐2 山岸祐也(77分)

●東京Vスターティングメンバー
GK31 鈴木椋大
DF23 田村直也
DF4   イム・ユファン
DF3   井林章
DF6   安在和樹
MF13 船山祐二
MF8   中後雅喜
MF14 澤井直人
MF32 二川孝広
MF10 高木善朗(81分 アラン)
FW18 高木大輔(27分 安西)
(ベンチメンバー:GK26太田岳志。DF2安西幸輝、5平智広、30高木純平。MF11南秀仁。FW7杉本竜士、9アラン・ピニェイロ)

監督 冨樫剛一

■苦肉の策

前半の半ば、冨樫剛一監督は早くも重大な決断を迫られた。

24分、イム・ユファンが2枚目の警告を受け、退場処分に。センターバックを失った東京Vは、応急処置として田村直也が中央にスライドし、澤井直人が右サイドバックに下がった。

さて、指揮官はどんな手を打つのだろう。守備の手当てを行うか、それとも3バックにチェンジか。ベンチの様子をうかがうと、安西幸輝と平智広が準備を急いでいた。

冨樫監督のチョイスは高木大輔を下げ、安西を投入。二川孝広を前線に置く[4‐4‐1]の布陣を敷いた。

「自分たちが追いかけるばかりのサッカーだと、90分はもたないだろうと。そこで、非常に残念ではあったんですが大輔を外し、前線に相手とスペースを見られる二川を置き、群馬の攻撃を限定しながら守れる形に。最終ラインは、センターバックを井林(章)と(田村)直也の慣れているコンビに戻し、右サイドバックに安西を入れる選択をしました」(冨樫監督)

二川か、高木善朗、どちらかをあきらめるしかないだろうと見ていた僕はやや面食らった。この逆境において、高木大の走力、強靭なメンタルを失うのは惜しいと思えたが、そんなのは冨樫監督は百も承知に違いない。

群馬に圧力をかけられない東京Vは押し込まれた。右に左に揺さぶられ、いともたやすく侵攻を許してしまう。ボールを奪う位置の低さからパスをつないで押し上げられず、図らずもワントップを張ることになった二川にロングボールが蹴られることが多かったのは酷に感じられた。

耐え忍ぶ時間が続き、あらためて高木大の不在が浮き彫りとなったが、結果的にこの采配は正しさを証明する。後半、東京Vの先制点は二川と高木善のふたりから生まれた。

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