「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【直前インフォメーション】J2‐30[A] 徳島ヴォルティス戦のポイント(2016/08/21)

メンタル面でもチームを支える高木大輔。

メンタル面でもチームを支える高木大輔。

J2第30節、東京ヴェルディ(17位=勝点32/8勝8分13敗 得失点-11)は、徳島ヴォルティス(13位=勝点34/9勝7分13敗 得失点-4)と、鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムで対戦する。
東京Vは守備の要である、キャプテンの井林章が出場停止。主力の不在は痛手だが、チームとしては新たな一面をのぞかせるゲームとなるかもしれない。

■主力を欠くのがプラスに出る場合も

チームで唯一、これまで先発フル出場を続けてきた井林章が、警告の累積により徳島戦は出場停止。これが及ぼす影響について、冨樫剛一監督は言った。

「もちろん影響は大きいですよ。ただ、チャンス到来と意気込む選手もいるので、プラスに出る可能性もありえます。次の試合、出場停止明けのイバをスタメンに戻すか迷うくらいのゲームになればいい」

代役はウェズレイか、それとも田村直也か。最終ラインはどうにかして井林の穴を埋めるとして、誰が腕章を巻くことになるのだろう。通例では、副キャプテンの中後雅喜か南秀仁がその役目を務めることになる。

「僕がベンチで巻いているかもしれませんけどね」と笑うのは高木大輔。ありえない話だが、アリっちゃアリだなと思わせるリーダーシップを高木大は持つ。幾多のプロを輩出した東京Vのアカデミーにおいて、この点、彼の特殊性は異彩を放っている。

冨樫監督は過去20年のランド育ちの傾向をこう語った。

「ディフェンスの選手に求められる、声で周りを動かし、リーダーシップを発揮できる選手がなかなか出てこない。何か理由があるんでしょうが、僕も答えを見つけられていません。思えば、自分と同期の中村忠(FC東京コーチ兼U‐23監督)はそこが抜群に優れていました。以降、匹敵する選手がいたか……。前のポジションになってしまいますが、大輔くらいのものでしょう」

もっとも高木大の場合、ランドがその特長を育んだというより、どこでサッカーをやっても現在の姿から遠く離れていないだろう個性の強さを備える。天然素材と分けて考えるべきかもしれない。

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