「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【SBGニュース】東京ヴェルディユース、米子北に敗れる。プレミア昇格を果たせず(2016/12/16)

米子北戦、東京ヴェルディユースのスターティングメンバー。 写真=松尾祐希

米子北戦、東京ヴェルディユースのスターティングメンバー。 写真=松尾祐希

12月16日、18日と広島で開催されるプレミアリーグ参入戦。プリンスリーグ関東3位の東京ヴェルディはAブロックに振り分けられ、1回戦でプリンス中国1位の米子北高校と対戦した。SBG特派員=松尾祐希(サッカーライター)の現地レポートをお届けする。

※公式記録はこちら

■松本幹太、先制ゴール!

試合終了のホイッスルが鳴り、溢れる感情を堪え切れない選手たち。目元からこぼれてくる涙を拭い、遠く離れた広島の地に駆けつけたサポーターに頭を下げる。「今年は最上級生として自分が引っ張っていかないといけない存在だったのですが、みんなが本当によく頑張ってくれた」と主将の深澤大輝が話したが、報われる結果にはならなかった。

3年前ぶりに高校年代最高峰の高円宮杯U-18プレミアリーグ復帰を目指す東京ヴェルディユースは、広島県のコカ・コーラウエスト広島スタジアムで行われた参入戦に挑んだ。Jリーグで言えば、J2にあたる各地域のプリンスリーグで好成績を収めた16チームが参加し、4つに分かれたトーナメント戦の勝者が来季の昇格権利を手にする今大会。若き緑軍団はプリンスリーグ関東を3位で終えたことで上位3チームに与えられる出場権を手にし、悲願を叶えるべくピッチに立った。

1回戦の相手は今夏のインターハイ・全国ベスト8で、12月30日に開幕する高校サッカー選手権への出場も決めている山陰の雄、米子北。屈強なフィジカルを生かした堅守が武器の相手に対し、テクニックで勝る東京Vがいかに相手を攻略していくかが焦点となった。

そのなかで先手を取ったのは、われらが東京V。試合開始から「少し固さがあった」(藤吉信次監督)というチームはイージーなボールロストやパスミスを繰り返していたが、開始6分に藤本寛也が起点となってファーストチャンスをつかむ。左サイドでパスを受けた松本幹太が名前のごとく、相手に寄せられながらも身体の幹の太さを生かしたドリブルでゴール前に侵入。最後は豪快に左足を振り抜いて、チームに流れを引き寄せる先制弾を決めてみせた。

この1得点で本来の姿を取り戻した東京Vは、時間の経過とともにらしさが復活。丁寧なビルドアップから右サイドハーフ、大久保智明と松本のホットラインにボールを集め、追加点を勇猛果敢に狙いにいく。一方でロングボールを多用して攻め込んできた相手への対応が拙く、いくつかの危ない場面をつくられた。決定的な場面こそなかったが、明らかに対応が後手に回っているなかで前半を折り返す。

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