「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【SBGニュース】東京ヴェルディユース、米子北に敗れる。プレミア昇格を果たせず(2016/12/16)

MF14藤本寛也
「前半は1‐0で終われたのですが、後半は立ち上がりから浮き足立っていて良くなかった。自分たちのミスから失点する課題はわかっていたのに、それが起きてしまった。時と場合を考えてつなぐべきところはつなぎ、立ち上がりは慎重に入らなければいけない。いろいろと足りないなと感じさせられた」

――立ち上がりが上手く行かなかった理由は?
「いつもどおり回せていましたが、1点リードをしていたので気持ちが緩んでしまったのか。相手がガツガツくるなかで、前半と同じスピードでやって、流れが悪くなってしまい一気にやられた。1点取られても2点目を防がなければいけなかったが、失点してからバタバタしてしまった」

――逆転されてからは攻勢に出られていたが。
「最後の精度が良くなかったですね。天然芝というのは関係ないですが、最後のシュートでもっとパワーがあれば、あのスルーパスが通っていればというのが多くて。やはり自分たちに足りないものが多かったです。米子北は自分たちに足りてないものを持っていたので、3失点を喫してしまったのかなと」

――これで1年が終わるけど、振り返って。
「このサッカーをやっていて、いろいろと学ぶことがあった。1年間でチームも自分もパフォーマンスが上がっていき、チーム全体でやっているサッカーの方向性に間違いはなく、僕らはそこに向かってやることができていた。最後に結果がともなえば良かったのですが、来年に向けて今日から努力をしていきたい」

DF3深澤大輝
「前半、幹太が良い時間帯に点を取ってくれたので、僕らが耐えていれば勝てた試合。後半は完全に相手の流れになってしまい、これがトーナメント戦であり、選手権出場を決めているチームとの勢いの差なのかなと思います。どんどん悪循環になって、最終的に3点目を取られてしまった。3点目を取られなければ、自分たちのサッカーをもっとできていたはずなんですが、そこの判断に関しては相手が上だった」

――長いボールを使ってくるチームは関東にあまりないけれど、やりづらさはなかった?
「シンプルに11番に当ててくるというのは話していて、そこを抑えられるかどうかで変わってくると思っていました。でも、コーナーキックから入れられてしまい、おかげで流れを相手に持っていかれることに。自分の反省点です」

――前半はチャレンジ&カバーがうまくいっていたと思うけど。
「前半は4‐2‐3‐1の1トップで、相手が前から取りに来れず、1トップの11番が孤立していたんですけど、後半修正してきてそれにハマってしまった。相手が修正してきたものに、対応できていれば」

――ハーフタイムから油断しているような感じはあった?
「まだ終わっていないという話はしていたが、後半に入ってみたら、ミスが多くて距離感も悪くなった。去年を経験していたということで、それが浮つく原因になったかもしれない。全体的に固さがあり、前半リードしてほぐれたのが、後半はまた固くなってミスにつながってしまった」

――この結果はどういうふうに感じている?
「自分は1年生の時にプレミアリーグ降格を味わい、試合に出ていた身ですので責任を感じていた。自分たちで落としたからこそ上げたかったし、1、2年生にはプレミアの舞台でやることの素晴らしさを知ってほしかった。今日は悔いしかないです」

藤吉信次監督
「セットプレーから後半開始2分でやられたのが残念。そこから時間もあったので(得点を)返せると思っていた。相手が徹底して放り込んでくるのはわかっていたことで、対策はしっかりしていたが、大事な試合に固くなって、ゴール前のところなどいろいろな意味でいつもの戦いができなかったと感じる」

――試合前から緊張していたか?
「試合前からちょっと緊張している様子はありましたけど、そんなにヘンな感じはなかった。そこは相手も含めて関係ないので」

――蹴ってくる相手に慣れていなかったと思うのですが。
「今年に入って米子北さんと2回試合をして、ふたつとも勝っていた。どんな相手に対しても自分たちのサッカーをもっとしっかりできるようにしなければいけない。本当に悔しいですね」

――ヴェルディは上に戻らないといけないという想いもあったと思いますが。
「そうですね。ヴェルディはプレミアでやらないといけないチームで、プリンスにいるべきチームではない。選手もそれはわかっていましたし、一生懸命やってくれていたと思う。だからこそ、悔しい。内容を考えても勝たなければいけなかった」

――勝敗を分けたのはどこでしょうか?
「いろいろなところがあると思います。もう1点取り切れていたら変わっていただろうし、後半の入り方で油断していなければとは感じます」

――早くに点を取ったのが試合を難しくさせたか?
「う~ん、先制点を取るのは大事なことなので。そこから追加点を取ることができなかった。相手のひたむきさや頑張りを上回る技術があればまた違ったのかな」

――この試合が今季の活動は終わりとなるが、1年を振り返って。
「途中から小笠原コーチが戦術的なところで指揮を執るようになってから良くなったと感じます。戦術面や戦い方がはっきりし、後期はJユースカップ以外は公式戦で負けなかった。上り調子でこの参入戦に挑めたことは良かったのですが、最後の最後に結果を残せなかったのが悔しい。チームとしては良い集団になったと思います。負けたけど本当に良くなった。チームの成長を僕は本当に誇りに思っています」

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

先制ゴールを叩き込んだ松本幹太。 写真=松尾祐希

先制ゴールを叩き込んだ松本幹太。 写真=松尾祐希

「いろいろと足りないものがあった」と語る藤本寛也。 写真=松尾祐希

「いろいろと足りないものがあった」と語る藤本寛也。 写真=松尾祐希

キャプテンとして、チームを牽引してきた深澤大輝。 写真=松尾祐希

キャプテンとして、チームを牽引してきた深澤大輝。 写真=松尾祐希

試合前、結束を固めるスタッフ陣。右から藤吉信次監督、小笠原資暁コーチ、野寺和音GKコーチ、北山浩司トレーナー。この顔ぶれもこの日が最後となる。 写真=松尾祐希

試合前、結束を固めるスタッフ陣。右から藤吉信次監督、小笠原資暁コーチ、野寺和音GKコーチ、北山浩司トレーナー。この顔ぶれも今日が最後となる。 写真=松尾祐希

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