「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】2017シーズンに向けて発進!(17.1.15)

2017シーズンを戦う、東京ヴェルディの監督、選手、スタッフ一同。

2017シーズンを戦う、東京ヴェルディの監督、選手、スタッフ一同。

■昇格プレーオフ出場を争えるシーズンに

1月14日、東京ヴェルディは2017シーズンの新体制発表会見を開いた。場所は、京王プラザホテル本館5階のコンコードボールルーム。例年、クラブハウスでこじんまりと行ってきたが、今季は打って変わって華々しい門出となった。

最初、壇上に立った羽生英之社長は言った。

「昨年、ヴェルディは非常に苦労しました。私が想像していた以上の苦労をしました。今季は、いままで私たちがレンガをひとつずつ重ねるがごとく積み上げてきたものを、もう一段積み上げること。同時に、私たちが行ってきたことが、本当に正しいかどうかを見つめ直す。もしくは再発見する。この2つがクラブのテーマであると考え、スペイン人の監督に託そうと決めました」

続けて、竹本一彦ゼネラルマネージャーはこう話した。

「ロティーナ監督は、スペインリーグで500試合近くをこなしている経験豊富な指導者です。国王杯優勝、ヨーロッパチャンピオンズリーグ出場。そういった優れた実績を残した一方で、非常に状況のつらい下位のチームを率いて、降格するなど悔しい思いもしている監督です。話をさせていただき、その人間性、サッカーを見つめる知識、経験、選手とのコミュニケーション力には非常に期待が持てました。実際、チーム始動から3日間の練習を見て、良い方向に持っていってくれていると実感しています。今日、ここにはいないイバンコーチについては、モダンで日本人に合ったサッカー観、指導観を持っている方。まだ37歳の若さですが、バルセロナの育成で成長し、タイやカタールでの指導経験もあります。この2人の指導者と新しい選手たちを加え、昨年よりも上の成績を目指して進んでいきたいと思います」

18位に終わった昨季より上の成績を目指すのは当然である。具体的に、どのあたりに目標を定めるのか。

「6位以上の昇格プレーオフ出場を争うところに目標を置きたいと思います。昨年が18位という数字でしたので、ここで大きく自動昇格と言ったところで現実味が足りない。ここにいる選手、サポーターの思いは昇格にあると思いますので、まずはそこに行けるように心づもりをしています」

と語る竹本GMは、今季のチーム編成で重視したポイントを次のように説明した。

「昨年、チームの失点が61あり、得点は43、得失点差マイナス18という非常に残念な結果でした。まずは守備を整備し、失点を1試合平均1点程度に落とさなければいけない。ここにいる選手たちにその目的を果たす役割を担ってほしいと思います。攻撃に関しては、チーム戦術をブラッシュアップすることで、在籍している選手の良さ、特長をもっと出せるはずだと。監督には、攻守にバランスの取れたチームづくりを求めています」

ロティーナ監督は言った。

「今年、ヴェルディを率いることを非常に光栄に思います。このクラブには伝統があり、最近のシーズンはJ2で苦しんでいますが、私たちはここで重要な仕事をするため、非常にワクワクした気持ちで来ました。空港に着いたときはファンが出迎えてくれました。ファンの声援が私たちに対する要求を上げ、責任を高めてくれると考えます」

この日、ロティーナ監督は、新体制発表会見後のキックオフパーティーを含め、首にかける東京Vのマフラーを最後まで外さなかった。指揮官として信条とするものに、僕は興味を惹かれる。

「攻撃に長けたチームはひとつの試合を勝つことができ、守備のしっかりしたチームは優勝をつかみ取ることができる。サッカーで重要なのは、まずはディフェンスを安定させること。相手にとって難しいチームになることです。私たちはゲームを支配するチームになりたいと思っています。ボールポゼッションを重視するという意味ではないですよ。ポゼッション率を高めることは重要ですが、それはゲームを支配することとイコールではない。私の考えは、ゲームの局面をこちらが握るということです」

12日、チームが始動し、トレーニングから得られる手応えはどうか。

「来日する前、ヴェルディの試合をたくさん見てきたので、選手のことはほぼ把握しています。補強についてはクラブの主導ですが、私も選手の映像を見て意見を出し、間接的に関与しています。私が日本で仕事をすると決まってから、多くのスペイン人選手の売り込みがありました。ですが、当面はスペインから選手を獲得する予定はありません。私たちは良い選手を持っています。いま考えているのは、こちらのアイデアやプレーモデルに彼らが適応していけるかということ。選手たちが良さを失うことなく、新たなフィロソフィー(哲学・考え方)をチームに導入していくつもりです」

左からロティーナ監督、羽生英之社長、竹本一彦ゼネラルマネージャー。

左からロティーナ監督、羽生英之社長、竹本一彦ゼネラルマネージャー。

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