「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【この人を見よ!】vol.16 十七年目の一里塚 ~GK1 柴崎貴広~(17.3.2)

シーズンの幕開けとなる徳島ヴォルティス戦。ゴールマウスに立ったのは柴崎貴広だった。これで、通算100試合出場を達成。プロ17年目にして、ようやく刻んだ一里塚である。
たったひとつの椅子をめぐり、しのぎを削る特別なポジションだ。最後の砦を任される者には、それ相応の理由がある。

■節目の試合で見せたファインセーブ

2月26日、徳島ヴォルティスのホーム、鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム。試合前のウォーミングアップ、最初に姿を見せるのはゴールキーパーだ。柴崎貴広と内藤圭佑は、遠く徳島まで駆けつけたサポーターにまずは挨拶。きびすを返し、ピッチに駆け出していく。

ゴール裏からは、柴崎の背中を押すように盛大なチャントが響いた。原曲は『森のくまさん』。柴崎の穏やかな人柄とよくマッチしている。紆余曲折を経て、やっとたどり着いた通算100試合出場。節目の試合で最高のパフォーマンスを見せ、勝利で飾ってほしい。この日のひと際大きな声援には、そんな気持ちがこもっていたように思う。

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