「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【この人を見よ!】vol.18 静かなる闘志 ~DF5 平智広~(17.3.30)

加入2年目の今季、平智広は3バックの左に定位置をつかみ、堅実なプレーで守備の安定に貢献している。特長のひとつである左足のフィードは、チームの戦術面においてさらに重要度を高めていくに違いない。
温厚な人柄で、静かなる闘志を燃やす人。苦しいことのほうが多かっただろう昨季を経て、平はどう変わっていったのか。

■センターバックは賢くプレーすること

「守備の規律が整備され、それにともなって選手の意識も変わった。昨年は自分たちがボールを持ちたい気持ちが強すぎ、早く取り返そうとして全体のバランスを崩すことがありましたが、今年は相手に回されても我慢できている。ただ、無失点の4連勝はたまたま。点を取られてもおかしくないピンチはいくつもあった」

と、平智広は今季の序盤戦を語る。現在、J2第5節を終了し、東京ヴェルディは2位につける。4勝1敗の勝点12。得点は8で、失点はわずか1だ。ついでに、退場者はまだなく、出された警告はたったの1枚という少なさである。

「ゴールの近くでファールをするな、というのは監督から厳しく言われていますね。ガツンといきたいときもある。でも、そこは我慢。ロティーナさんは、センターバックに大事なのは激しさではない、賢さだと」

賢くプレーするように言われ、簡単にそうできれば苦労はない。可能にする素養があったということなのだろう。

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