「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-7[H] 湘南ベルマーレ戦『ディテールの差』(17.4.10)

『花散らしの雨』2017.4.9

『桜流しの雨』2017.4.9

2017年4月9日(日)
J2第7節 東京ヴェルディ vs 湘南ベルマーレ
14:03キックオフ 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場
[入場者数]5,879人 [天候]雨のち曇、弱風、気温17.0℃、湿度88%

東京V 2‐3 湘南
前半:1‐2
後半:1‐1
[得点]
1‐0 安西幸輝(16分)
1‐1 菊地俊介(21分)
1‐2 ジネイ(33分)
1‐3 菊地俊介(54分)
2‐3 安在和樹(90+3分)

●東京Vスターティングメンバー
GK1   柴崎貴広
DF3   井林章
DF4   畠中槙之輔
DF5   平智広
MF18 高木大輔(56分 ドウグラス)
MF17 内田達也
MF33 渡辺皓太(77分 橋本)
MF6   安在和樹
FW2   安西幸輝
FW7   アラン・ピニェイロ
FW10 高木善朗(57分 梶川)
(ベンチメンバー:GK26太田岳志。DF23田村直也。MF8中後雅喜、27橋本英郎、30高木純平。FW9ドウグラス・ヴィエイラ、38梶川諒太)

監督 ロティーナ

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■スタメンにびっくり!

試合前、駒沢の記者控室はおおいに盛り上がった。双方、先発メンバーに意外な名前があったからだ。

「まさかの渡辺皓太。そっちは?」
「今季、ベンチ入りすらなかった石原広教がいきなりのスタメンです。まったくの予想外」
「同じだね。ロティーナさんはこういう大胆なところがある」
「ヴェルディのメンバー外の選手にさっき訊いたら、彼も驚いてましたよ。前日練習のあと突然知らされたと」

手がかりはあったのだ。僕は先週の【練習レポート】で、ロティーナ監督が高木大輔、安西幸輝、渡辺皓太に追加のトレーニングを課す様子を伝えている。その3人を右サイドのユニットとして、そっくりそのまま使ってきた。そのときは、渡辺に先発の可能性が出てきているとは露ほども思わなかった。

ロティーナ監督は勝負に懸ける人だから、情報管理においてはシビアな判断をする。一方で、このように案外あけすけなところを見せるのが面白い。開幕戦の前日練習もそうだった。両ウイングバックを入れ替え、ここでやるのならば明日はないと思わせておいて、ふたを開けてみればそのままだった。選手のけがの状態についても、ファンのためを思ってだろう、包み隠さず正確な情報を話してくれる。

見上げれば、雨。夜半から降り始めた雨は、とうとう止まなかった。

キックオフの笛が吹かれ、東京ヴェルディは上々の立ち上がりを見せる。ボールを軽快に動かし、湘南ベルマーレのプレッシングを受け流していく。ショート、ショート、ロングのパス回し。時折、局面を大きく変え、攻撃の糸口を探るやり方は有効だった。

曺貴裁監督はこの時間帯をこう振り返る。

「今日ヴェルディさんは予想以上にピッチの幅を使い、ボールを動かしてきた。最初の10分、15分はいこうと思ったところで鼻先を変えられ、技術の高い選手にボールを動かされて、ちょっとパニックになったところがありました」

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