「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【フットボール・ブレス・ユー】第20回 中大のアンタツ(17.4.19)

第20回 中大のアンタツ

4月15日、JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦が開幕。大学サッカーもついに蹴春到来である。翌16日、僕は日本大学稲城総合グラウンドへ。お目当ては、2部の中央大 vs 立正大のゲームだった。

現在、中央大学学友会サッカー部には、東京ヴェルディユース出身の選手が4名在籍する。山口陽一朗(4年)、安在達弥(3年)、大久保智明(1年)、深澤大輝(1年)。いずれも先が楽しみな好素材だ。

この日、メンバー入りを果たしたのは安在のみ。定位置の右サイドバックで先発した。読者もよくご存知のとおり、安在和樹のふたつ下の弟である。けがで出遅れた山口は、これから巻き返しを図ることになるだろう。

中央大は3‐1で立正大を下し、開幕戦を勝利した。チーム力は明らかに中央大が上回り、2点をリードしてワンサイドゲームに持ち込むかと思いきや、後半立正大の反撃を受け、あわや2‐2の同点に追いつかれそうになった(相手がPKを外したことで事なきを得た)。印象としては薄氷の勝利である。

ここ数年、僕は折に触れて中央大のゲームを観ている。毎年の傾向として、有利にゲームを運びながら途中でリズムを崩し、拮抗した展開にしてしまう悪い癖がある。能力の高い選手を擁し、有力な昇格候補に違いないが、勝点を取りこぼさないためにはこの課題を解消したいところだ。

安在達は遠目からはっきりわかるほど、身体つきが兄に似てきた。やや縦に長いが、上半身の幅や厚みが増し、パワフルなサイドアタッカーに育っている。なお、安在達の利き足は右。アンカズのチャントを譲り受け、ピッチを疾走している。

安在達は言う。

「昨年試合に出してもらいながら、ゴールやアシストなどの結果を残せなかったのが悔しくて。今年は誰の目にも明らかな数字で結果を出したい。あそこのポジションは絶対に安在だと言ってもらえるようなパフォーマンスを見せるつもりです。そして、チームの目標である1部昇格を達成したい」

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