「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【フットボール・ブレス・ユー】第25回 東北夏紀行・後編『臥薪嘗胆の日々』 ~ラインメール青森FC 渋谷亮~(17.9.13)

第25回 東北夏紀行・後編『臥薪嘗胆の日々』 ~ラインメール青森FC 渋谷亮~

午後2時、ブラウブリッツ秋田の杉山弘一監督のインタビューを終え、一路北へ。秋田駅から奥羽本線に乗り、青森を目指す。その間、なんと37駅! 3時間41分の列車の旅だ。弘前まで快速でいく手や、およそ1時間程度短縮できる特急つがるがあるにはあるのだが、こちらは日に3往復しか走っていない。

のんびり鈍行に揺られて東北縦断の旅。それもいいと思った。渋谷亮との約束は明日だ。今日中に着けば問題ない。奥羽本線の車窓から外の景色を眺める機会は、たぶん最初で最後だろう。

列車は日本海沿いに北上し、東能代から内陸に入る。田畑や家、青々とした木々。変わり映えのしない景色が続いた。弘前を過ぎ、右手に山。おお、あれが雪中行軍遭難事件で有名な八甲田山か。と思ったが、確証はなく、周囲に尋ねるのははばかられた。

2016シーズン、東海社会人リーグ1部の鈴鹿アンリミテッドFCでプレーした渋谷は、今季、JFLのラインメール青森FCに移籍。以降、人づてに話を耳にすることはあったが、一切連絡を取っていなかった。

渋谷の現状は、数字がほぼすべてを物語る。ベンチに2回入っただけで、試合にはまだ1分も出場していない。積極的に話したいことがあるとは思えなかった。

一方、チームは好調だ。昨季、JFLで年間8位だった青森は、今季のファーストステージは4位。セカンドステージも上位を争っている。主軸がしっかりしており、そこに食い込んでいくのは容易ではないだろう。

今回、たまたま秋田にいくことになったからそっちまでいくよと、僕の軽い思いつきで話を取りつけたが、望ましい状況にはほど遠く、本人にやや負担を強いてしまったのではないかと頭にチラつく。

つらつら考えているうちに、列車は終点の青森駅に到着した。

青森駅のすぐそばには青森港。

青森駅のすぐそばには青森港。

(残り 1938文字/全文: 2780文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ