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ブラサカ日本代表はアジア選手権で何を残したのか? 松崎英吾(日本ブラインドサッカー協会事務局長)インタビュー<前篇>

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(c)Tete_Utsunomiya、以下全て同じ

今号と次号は2回にわたり、ブラインドサッカーを取り上げることにしたい。取材に応じていただいたのは、日本ブラインドサッカー協会(JBFA)事務局長の松崎英吾さん。松崎さんには、これまでにもたびたび徹マガにご登場いただいているが、今回は9月2日から7日まで東京・代々木で開催された、IBSAアジア選手権の総括をお願いした。

この大会は、来年ブラジルのリオデジャネイロで開催されるパラリンピックのアジア予選を兼ねており、上位2チームが本大会に出場できる。アジアのブラサカは、中国とイランが絶対的な2強を形成しており、日本は3番手という位置づけ。6カ国が参加して行われた大会では、日本は初戦の中国戦に0−1で敗れ、続くイラン戦には0−0で引き分け。その後の3試合(韓国、インド、・マレーシア)には3連勝したものの、中国とイランの直接対決は引き分けに終わり(一部では「無気力試合」との批判もあった)、日本はアジアの2強を上回ることができずにリオへの道を断たれることとなった。

実はこの大会については、私自身非常に高い関心があったものの、結局1試合も現地観戦することができなかった。ちょうど日本代表のワールドカップ・アジア2次予選の取材とバッティングしていたからだ(どういうわけかブラサカの大会と日本代表の試合はよく重なる)。ブラサカ日本代表がリオへの切符を逃したニュースも、アフガニスタン戦が行われたテヘランで知った。そして帰国してみると、大会前はあんなに盛り上がっていたブラサカの話題が、すっかり収束していることに少なからぬ落胆を覚えたものである。

今大会を取材できなかったという密かな負い目に加え、ここはやはりきちんと大会を総括すべきという使命感も芽生え、松崎さんにインタビュー取材を申し込んだところ、幸い快く引き受けてくださった。私が知る限り、ブラサカ日本代表とアジア選手権について、これほど分厚い総括インタビューというものは、それほど多くはないはずだ。これこそが徹マガのメディアとしての使命と考える次第である。(取材日:2015年9月28日@東京)

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