宇都宮徹壱ウェブマガジン

高知が「フライブルク」になるために フォルカー・フィンケ氏の講演に思う

 先週の木曜日から土曜日まで、高知を訪れていた。日曜日(15日)に行われるFC今治と高知ユナイテッドSCとの四国リーグ頂上決戦を前に、高知の2クラブ(アイゴッソ高知と高知Uトラスター)合併の経緯を取材するのが主な目的。と同時に、実はもうひとつ楽しみにしていたイベントがあった。元浦和レッズ監督として知られる、フォルカー・フィンケ氏の講演である。講演の内容については、来月に『徹マガ』でアップする予定だが、まずはフィンケ氏が高知にやってきた理由について説明したい。

 今回、フィンケ氏を高知に招いたのは、高知大学の特任助教で同大学サッカー部の監督でもある川田尚弘さん。川田さんはケルン体育大学で学び、UEFAのA級ライセンスも取得しているのだが、フィンケ氏が浦和の監督だった09年にインターン指導を受けたことがあり、その後も交流が続いているという。

 ちなみに、ヨーロッパ(とりわけドイツ)でのフィンケ氏の評価は絶大である。91年に当時ブンデスリーガ2部だったSCフライブルクの監督に就任。2年後に2部優勝を果たしてクラブ史上初の1部昇格を果たすと、95年にはブンデス1部で3位となり、UEFAカップ出場を果たす。フライブルクでの指導は実に16シーズンに及び、これはドイツのプロサッカー界の最長記録。退任が決まった時には、サポーターによる反対運動も起こっている。カメルーン代表監督を退いてからはフリーの状態となっているが、欧州の国際指導者会議では今でも主要講師として招かれることも多いそうだ。

 そんなフィンケ氏をなぜ高知に招いたのか。今回、コーディネートや通訳も担当している川田さんに尋ねると、彼は高知が現在抱えている問題点について語り始めた。

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