宇都宮徹壱ウェブマガジン

「俺たちのCL」ではダメですか? 「地域決勝」が「チャンピオンズリーグ」となる納得感と違和感

 リオ五輪での久保裕也招集断念、柿谷曜一朗の負傷(全治3カ月)、そして川島永嗣のFCメス移籍決定と、今週もいろいろ話題に事欠かなかった国内サッカー界。しかし個人的に最も衝撃だったのは、今年から全国地域サッカーリーグ決勝大会を「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ」に名称変更するというこちらのニュースである。

 長年(といってもたかだか11年だが)この大会を取材し続けてきた者としては、やはり本件を取り上げないわけにはいくまい。レフェリングと一緒で、すでに決まったことは覆らない。ゆえに、決定そのものについては尊重するつもりだ。それに今回の名称変更については、全面的に反対しているわけではなくて、納得している部分もあるにはある。しかし一方で、明らかに違和感を覚えているのも事実。どこに納得感があって、どこに違和感があるのか、この機会に私の考えを述べておきたい。

 あらためて、地域リーグのシステムをおさらいしておく。地域決勝は全国9地域の優勝チーム、および全社枠(全国社会人サッカー選手権大会の上位チーム)による合計12チームが参加。4チームずつ3グループで1次ラウンドのリーグ戦を行い。1位の3チームと最も成績のよい2位の1チームが決勝ラウンドに進出。この決勝ラウンドの結果、上位2チーム(年によっては3チーム)がJFLに昇格することができる。なお、1次ラウンドも決勝ラウンドも3日間ぶっ通しで行われるため、「最も過酷なレギュレーション」と呼ばれているのは周知のとおりだ。

 実はこの大会の取材を始めた当初、私はこの地域決勝を「JFLに昇格するための大会」としてのみ認識していた。つまり「地域リーグからJFLへ上がるための登竜門」と見ていたのである。ところが、ある人からこんな指摘を受けて考えを改めざるを得なかった。ディテールは覚えていないが、大意はこんな感じだったと記憶する。

(残り 1399文字/全文: 2182文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ