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「テスト走行なし」の無謀の果てに 名古屋の小倉監督「休養」と残り8試合に思うこと

 名古屋グランパスの小倉隆史監督が解任された(クラブ側は「休養」としているが、事実上の解任と言ってよい)。第一報は8月23日の早朝5時、中日スポーツによってもたらされた。その後、他のメディアも追随。twitterのトレンドでは「小倉監督」が1位に浮上した。ちなみに公式サイトでの正式発表は、16時頃だったようだ(HPにはアップ時間が表示されないため、公式twitterから推測)。

 先週末、日立台での柏レイソル対名古屋グランパスを取材し、このようなコラムを書いた身としては、やはりこの話題に触れないわけにはいくまい。妻がグランパスファンということもあり、ことあるごとに名古屋の動向には気を配っているものの、距離的な問題もあって取材できるチャンスは極めて限られている。番記者でもない私が、あれこれ書くのは憚れるところもあるのだが、今回の解任劇について思うところと今後の8試合について、自分なりに考察したい。

 本題に入る前に、クラブ側が「解任」ではなく「休養」と表現したことについて言及しておく。正直、あまり愉快でない「言葉遊び」だと思う。久米一正社長がサポーターズミーティングで「解任はあり得ない」と言った手前、あえてこの言葉を使ったのだろう。欺瞞ではないかという想いはある一方、今回に限っていえば「休養」という言葉がふさわしかったようにも感じてしまう。というのも(先のコラムで書いたとおり)、柏戦後の会見に臨んだ小倉監督が、あまりにも尋常でないと感じ、少なからぬ危機感を抱いたからだ。

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