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【無料記事】決戦前夜に出会った人々 旅するカメラ(2016年9月5日@バンコク)

 タイ戦前日。バンコク市内の某ホテルにて両チーム監督の前日会見が行われる。会場は14階に設定されていたので、バンコク市内の俯瞰を楽しむことができた。

 タイ代表のキャティサック・セーナームアン監督。現役時代は「ジーコ」と呼ばれ、日本戦でゴールを決めたこともある。「日本は初戦に負けてプレッシャーを抱えている。われわれはさらにプレッシャーをかけていきたい」とコメント。

 続いて日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督。シャッターを切りながら、いつもの自信に満ちた表情がまったく見られないのが気になった。もっと逆境に強い人だと思っていただけに、いささか心配になる。

 前日練習の取材で、試合会場のラジャマンガラへ。最近の代表人気もあって、6万5000人のナショナルスタジアムが満員になるのは必至。どんな雰囲気の中でキックオフを迎えるのだろうか。

 この日の日本のトレーニングも、冒頭15分を除いて非公開となった。UAE戦では欠場した柏木陽介は、この日は元気に練習参加。おそらく長谷部誠とコンビを組むことになるだろう。

 20時にラジャマンガラを撤収して、次の取材のためにスクンビット地区へ。『らあめん一番』というお店で、120バーツ(360円)のラーメンを食す。非常にクラシカルな味わい。

 この日は、チョンブリFCのインターナショナル・マーケティング・マネージャーを務める小倉敦生さんにインタビュー(記事はこちら)。小倉さんは、アジアにおける日本の存在感が年々低下していることに、強い危機感を抱いていた。

 取材後、飲み会となり、『タイ・プレミアリーグに行こう!』というサイトを運営している浜崎勇次さんも合流。ディープなアジアサッカー談義を続けるうちに、バンコクの夜はふけてゆく。

 ホテルに戻る途中、夜のカオサン通りが巨大なディスコのようになっているのに驚く。今日はまだ月曜日。毎夜のようにめくるめく宴が繰り広げられているのだろうか。

 日付が変わって9月6日。いよいよ決戦の日である。さあ、勝ち点3を持ち帰るぞ!

<この稿、了>

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