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ヴィアティン三重の指揮官が語った「FC今治攻略法」 今日の現場から(2016年11月13日@西条)

 11月11日に開幕した地域CL(全国地域サッカーチャンピオンズリーグ)2016は、13日が1次ラウンドの最終日。3会場で繰り広げられた熱戦の結果、ヴィアティン三重(Aグループ1位)、三菱水島FCBグループ1位)、鈴鹿アンリミテッドFCCグループ1位)、そしてFC今治(Aグループ2位)がワイルドカードで滑り込み、この4チームが25日から千葉県市原市で開催される、決勝ラウンドにコマを進めることになった。

 愛媛県西条市で行われた、今治と三重の首位対決は、非常に興味深いものとなった。ここまでの2試合に連勝し、しかも得点11、失点ゼロという圧倒的な強さを見せつけた今治。地元サポーターの大声援を受けて、3連勝は堅いと思われていた。にもかかわらず、前半に立て続けに3ゴールを浴びて0-3で完敗。この敗戦には、今治の吉武博文監督も少なからず衝撃を受けたようで、「決勝ラウンドに向けた修正点をひとつ挙げるなら?」という問いに対しても、「今は混乱しているので答えられない」と語るのみであった。

 今治の敗因と修正点を探るなら、むしろ三重の海津英志監督に話を聞くべきだろう(あれほど多くの報道陣がいたのに、この人に話を聞いた記者は私だけであった)。実は私は、この海津監督を「戸塚哲也以来の地域リーグの勝負師ではないか」と思い始めている。今年の全社(全国社会人サッカー選手権大会)で、サウルコス福井といわきFCを破るなどして全社枠を獲得。そして今回、今治の洗練されたポゼッションサッカーも見事に打ち破った。今治の敗因については、週明けのスポナビのコラムで書く予定だが、まずは三重の指揮官の言葉に耳を傾けてほしい。

──試合を終えての率直な感想からお願いします。

海津 目標としていた3つ勝つことができてよかったし、何より決勝ラウンド進出が目標だったので、それが叶えられてよかったです。

──言える範囲で結構ですが、勝因は何だったのでしょうか?

海津 ある程度、相手をしっかり研究していたというのはあるし、それを選手がちゃんと理解したこと。どういうところがポイントなのかを意識して、自分たちのやれることとやれないことを把握した上で、それを実践できたことが勝因かなと思います。

──2試合スタメンだった守備の要、ドゥグラスをベンチに置いたのは、決勝ラウンドでまた今治と対戦することを見越しての判断だったのでしょうか?

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