宇都宮徹壱ウェブマガジン

2017年から1997年を振り返る 「写真家宣言」から20周年を迎えるにあたって

 このほど名古屋グランパスの新監督に決まった、風間八宏氏。そのプロフィールを眺めていたとき、ふいに「1997」という数字が飛び込んできた。風間氏は97年に現役を引退(最後のクラブはドイツ下部リーグ所属のFCレムシャイトだった)。その年に桐蔭横浜大学で指導者としてのキャリアをスタートさせている。

 当時36歳だった風間氏にとり、プレーヤーから指導者にキャリアを切り替えるターニングポイントとなったのが、今からちょうど20年前の97年。奇しくもその年、風間さんより5歳下の私は、ベオグラードで「写真家宣言」をしている。私は風間氏と個人的な接点はないが、この「97年にターニングポイントを迎えた」という一点において、大いなるシンパシーを覚えてしまう。

 今年は2017年。ロシア革命から100年、スプートニク1号の打ち上げから60年、ASEAN結成から50年、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国解体から25年、そして香港返還から20年である。そして極めて個人的な話をするならば、私が「写真家・ノンフィクションライター」としてフリーランスの活動を始めるようになって、今年でちょうど20年となる。新しい年を迎えるにあたり、まずは20年前の状況について、あらためて振り返ってみることにしたい。

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