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【無料記事】献本御礼『KFG蹴球文化論(弐)〜革命奮起編〜』 錦糸町フットボール義勇軍著

 年末の慌ただしさで、しばしお休みしていたこのコーナー。少し時間に余裕ができたので、お世話になっている方々からいただいた書籍をコツコツと紹介していくことにしたい。昨年12月11日に発売された、錦糸町フットボール義勇軍の『KFG蹴球文化論(弐)~革命奮起編~』。発売当日、新宿ロフトで拙著『サッカーおくのほそ道』との合同出版記念イベントが開催され、その際に献本していただいた。

 本書のオリジナルは、ロック総統、ライト曹長、そしてオットナー参謀長をコアメンバーとするインターネット放送、『革命! 錦糸町フットボール義勇軍』である。先に紹介した「革命蜂起編」の第2弾という位置付けで、今後も第3弾、第4弾が計画されている模様である。

 ただ放送を垂れ流すだけでなく、それらをきちんと編集して書籍化し、さらにプロモーションを兼ねたイベントを開催して本を売ってゆく。実際にイベントに参加してみて、見事なサイクルが完成していることに感心した。また本書に登場する奈良クラブの矢部次郎GMのように、サポーターのみならずJFLクラブ関係者の中にも、フットボール義勇軍のシンパは確実に増えている。絵空事のように思われていた彼らの「革命」は、実は私が想像していた以上に進行しているのかもしれない。

 この「革命奮起編」に収録されているのは、14年11月から15年4月までの配信分。奈良クラブへの現地取材は16年7月である。17年1月の視点から見ると、少し情報が古びたものに感じられるかもしれない。が、J3が開幕して「実質4部」となって以降のJFLを振り返るという点では、いろいろ示唆に富んだ内容となっている。拙著の読者であれば、さらにアンダーカテゴリーへの理解と愛情が深まることだろう。

 なお、本書は「地下出版」の体裁をとっているため、相変わらず書籍JANコードが入っていない。購入を希望される方はこちらからアクセスしていただきたい。定価1204円+税。

【オススメ度】☆☆☆★★

「総統! 次回の放送で、石崎信弘新監督を迎えたテゲバジャーロ宮崎について語ってください!」

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