宇都宮徹壱ウェブマガジン

「わかっている人」と「わかってない人」 DAZN視聴に心理的障壁を感じる人々とどう向き合うべきか

 国内では2017JリーグDAZN ニューイヤーカップが、そしてバンコクではJリーグアジアチャレンジ in タイ インターリーグカップが開幕し、来月の新シーズン開幕への期待がますます高まる今日このごろ。この2つの大会でチェックすべきは、新戦力のフィット感だけではない。サッカー消費者にとっては「DAZN(ダ・ゾーン)元年」に向けた、またとない視聴シミュレーションの場でもあった。

 ニューイヤーカップの翌日、私はYahoo!個人に「自宅のTVでDAZNのJリーグ中継を視聴してみた!」という記事を書いた。タイミングが良かったこともあってかトピックスでも取り上げられ、これまで書いた記事の中では歴代2位のアクセス数となった。またtwitterなどのSNSでも、DAZNでの視聴に関するツイートが格段に増えたように感じる。私の記事が、「DAZN元年」への対応をリアルに考える契機となったのであれば、今回の試みは成功だったと言えよう。

 しかしその一方で、私の記事に対して「DAZNへのネガキャン(ネガティブ・キャンペーン)だ」という書き込みが散見されたのは心外であった。実際に読んでいただければご理解いただけると思うが、あの記事の主旨は「自宅の普通のTVでDAZNを見るための体験記」であり、そこに至るまでの過程と実際に視聴してみての実感、そして現時点で考えられる課題をわかりやすくまとめたものである。それ以上のものでも、それ以下のものでもない。

 そもそもネガキャンを目的としているなら、タブレット端末やPCなどで視聴するぶんには「まったく問題ない」とは書かないし、「意外と簡単に視聴できた」といったポジティブな表現も控えただろう。またスカパー!に関しても、放送と通信の「違い」については言及したが、優劣をつけるような記述は一切していない(そもそも意味がない)。あくまでも、いちサッカー消費者として感じたことを、そのまま原稿に反映させたつもりだ。

 もうひとつ付け加えると、今さらDAZNを否定しても、何も始まらないというのが私の基本的な考えだ。今、考えるべきことは「どうすればDAZNを自宅で(それも普段観ているTVで)快適に視聴できるか」であり、そのための告知や情報共有をDAZNやJリーグには切に求めたい、ということ。その想いは今も変わりはない。いささか長くなったが、ここまでが前段。以下、Yahoo!個人でのリアクションを受けて、問題の本質を自分なりに整理してみたい。

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