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ブレーメンで見た「原風景」を長野県に作りたい 土橋宏由樹(ボアルース長野GM)インタビュー<1/2>

 2月最後の週末にJ1とJ2の新シーズンが開幕。今後は3月5日にJFLが、11日と12日にJ3が、そして4月には各地域リーグが開幕する。それぞれのカテゴリーへの期待が高まる中、今週はそんな雰囲気にふさわしいゲストをお招きした。今年1月までAC長野パルセイロのアンバサダーを務め、先ごろ長野県のフットサルクラブ、ボアルース長野のGMに就任することとなった、土橋宏由樹さんである。

 土橋さんといえば、北信越リーグ時代の松本山雅FCから長野への「禁断の移籍」を断行して「北信越のフィーゴ」と呼ばれていた、まさに信州ダービーを象徴するような選手であった。長野のJFL昇格(10年)にはキャプテンとして貢献。昇格1年目の11年に34歳で現役を引退すると、以後は5年にわたり長野のアンバサダーとしてクラブと地域を近づける活動を続けてきた。

 そんな土橋さんはなぜ、Fリーグを目指すフットサルクラブのGMに就任することになったのか? そして山梨県出身の彼はなぜ、「長野県への貢献」にこだわり続けるのか? 10年経った今だからこそ言える「禁断の移籍」の内情も含めて、今回はざっくばらんに語っていただいた。松本と長野のサポーターはもちろん、「地域密着のあり方」に興味がある方はぜひとも彼の言葉に傾けていただきたい。(取材日:2017年2月14日、24日@東京)

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提供:ボアルース長野

■フットサルクラブGMのオファーはなぜもたらされたのか?

――このたびは、ボアルース長野のGM就任、おめでとうございます。この展開には正直、驚いているんですけど(笑)、まずはオファーの経緯について教えていただけますか?

土橋 オファーをいただいたのが、若林順平さんといって、長野パルセイロと松本山雅のスポンサーをやっている株式会社デンセンという会社の社長さんなんです。その方が昨年(16年)、ボアルース長野が株式会社化になったのをきっかけに社長に就任して、「これまでの活動を活かす形でGMをやってくれないか」というお話をいただいたんです。

――それは長野パルセイロで5年間アンバサダーをやっていたことを評価してということですか?

土橋 そうです。ただ、それだけでなく山雅とパルセイロでもキャプテンとしてプレーしていた経歴も評価していただきました。選手時代はピッチ上でのパフォーマンスが、アンバサダー時代は「いかにクラブを地域に近い存在にしていくか」が評価軸でした。今回はフットサルクラブのGMということで、これまでとはまったく違った評価軸となるので、そこは自分にとっても新たなチャレンジだと思っています。

――長野のアンバサダーを辞められたのは、任期満了という形だったんでしょうか?

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