宇都宮徹壱ウェブマガジン

「最後の現場」で目撃した堂安の輝き 旅するカメラ(2017年5月27日@水原〜天安)

 大会8日目。1週間にわたる韓国での取材も今日で終わり。明日の午後便で日本に帰国する。取材の最後を飾るのは、日本対イタリア。現在グループ3位の日本だが、決勝トーナメント進出は十分に残されている。大丈夫、彼らならやってくれるだろう。そんな想いを胸に、今日の取材地である天安を目指した。メトロで水原駅まで移動。見慣れた駅前の風景に別れを告げて、南に向かう列車に乗る。この日は土曜日ということもあって、どの車両も満席。撮影用の組み立て椅子に座って、移動中は執筆して過ごす。

 やがて列車は天安に到着。同じ車両に乗っていた日本サポーターが、ぞろぞろと降りてゆく。しかし私の目的地は、次の牙山(アサン)駅。着いてみると、高層マンションばかりが立ち並ぶ、何とも人工的な風景が広がっていた。実はスタジアムは、牙山からのほうが近い。ホテルも現場から歩いて15分ほどの場所に予約したので、前回のときのように帰りのタクシーを探し求める心配もない。今回の宿は初めての「ホテルらしいホテル」で、フロントのスタッフはひととおり日本語が話せるのには少し驚いた。15時に昼食を摂り、30分後にスタジアムに到着。ここが最後の取材現場である、

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