宇都宮徹壱ウェブマガジン

【イベント】渋谷で語る「サッカー×マンガ」 人気マンガ家たちによる夢のトークセッション<1/2>

 今週は、5月2日に東京・渋谷のロフト9で開催されたイベント、『渋谷で語る「サッカー×マンガ」人気マンガ家たちによる夢のトークセッション』の模様をお届けすることにしたい。サッカーをテーマにした作品で人気を博している、4人のゲストの方々をお招きしての今回のトークイベント。おかげさまで大盛況のうちに終えることができたが、当日参加できなかったWM会員の皆さんのために、「ツイートOK」にしていた前半部分を公開することにした。

 あらためて、当日のゲストの皆さんをご紹介する(出演決定順)。

・上野直彦(漫画原作者/『アオアシ』取材・原案協力)

・能田達規(漫画家。『ぺろり!スタグル旅』連載中)

・高田桂(漫画家。『サポルト!木更津女子サポ応援記』連載中)

・大武ユキ(漫画家。『フットボールネーション』連載中)

 そして当日の司会進行は私・宇都宮徹壱が務めさせていただいた。正直、若い頃に比べてすっかり漫画を読む機会が少なくなった私だが、サッカーを通じて再び漫画の面白さを再確認できたのは、自分でも意外であった。そして気が付けば、最近のサッカー漫画は「育成」に「スタグル」に「女子サポ」に「インナーマッスル」と、多種多様なテーマを扱ったもので溢れ返り、しかもそれぞれに熱狂的なファンがついている状況だ。

 今回は、普段なかなか読者が知ることの少ない、漫画家という仕事の内容、サッカー観戦での皆さんの視点、そしてそれぞれの代表作が生まれた背景などについて、大いに語っていただいた。最後までお楽しみいただければ幸いである。(収録日:2017年5月2日)

■プロットを作る漫画家、いきなり作画から入る漫画家

――それでは早速、最初のテーマからいきたいと思います。まず「漫画家というお仕事」。われわれは作品という完成形しか見ることができないわけですが、皆さんの普段のお仕事がどんな感じで進んでいくのか、ざっくりとした流れを図式化してみました。上野さん、だいたいこんな感じですかね?

※「プロット→ネーム→作画」という図式が画面に現れる。

上野 そうですね。ただし、漫画家が10人いたら10通りのやり方があると思うんです。ここでいうネームというのは下絵で、漫画の設計図みたいなものです。でも、いきなり描き始める人もいますね。プロットにしても、箇条書きにする人もいるし、脚本形式や小説形式で書く人もいます。僕の師匠は小池一夫先生なんですけど、先生のプロットは完全に小説形式でしたから。

――プロットの前に取材というものがあると思うんですけど。

大武 取材の方が、原稿を描く作業よりも2倍も3倍も(労力を)かけていますよね。

能田 僕の場合は取材先行ということじゃなくて、いきなりポンと描き始める感じです。必要があれば取材に行くという感じ。ただし今、連載しているスタグルの漫画は、なるべく実際に行ったところを描こうとは思っていますけど。

――能田さんの『ぺろり!スタグル旅』は1話完結ですけど、そのつど現場に行って取材して描いている感じなんですか?

能田 いちおう、愛媛FCを応援している過程でのストックはありますが、行っていない会場についてはできるだけ足を運ぶようにしています。

――今、上野さんがおっしゃったプロットというのは、皆さん作っていらっしゃいます?

大武 私はプロットはなしで、取材後はネームから入りますね。

高田 『サポルト』に関しては、テキストのプロットをいったん編集部に送るという作業をやります。向こうが欲しがるので送っていますが、なきゃないでいいんですけど。

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