多少は緊張しながら、実は楽観している理由 「テロ直後」のテヘランを取材するにあたって
このコラムがアップされる6月9日の夜、私は成田からドーハ経由でイランの首都・テヘランに向かう。今月13日に行われるワールドカップ・アジア最終予選の対イラク戦を取材するためである。2005年に初めて現地を訪れてから、今回で4回目。商社マンでも外交官でもないのに、これほどまでにかの国を訪れることになるとは思わなかった。
周知のとおりシリア戦が行われた7日、テヘランではテロ事件が発生している。国会議事堂で銃撃があり、さらにテヘラン郊外にあるホメイニ師を祀る霊廟でも自爆攻撃が起こった。本稿を執筆している8日21時の時点で死者は17名。明らかに組織的な同時多発テロであり、ISが犯行声明を出したとも伝えられるが、どの程度関与しているのかは不明。イランをめぐっては、サウジアラビアとの宗教的な対立がかねてより不安視されていたが、こちらの関連についても今はよくわかっていない。
現時点ではっきりしているのは、中東地域で「最も安全」と思われていたイランで、10名以上の死者を出す組織的なテロが行われたこと。そしてその地で、事件から6日後に日本代表の試合が行われること。そしてその現場に私も取材者として赴くということである。これまで、たびたびヤバそうな国や地域を訪れている私だが、今回のテヘラン行きは久々に緊張感をもって臨むことになりそうだ。出発が迫った今、思うところを記しておく。
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