宇都宮徹壱ウェブマガジン

すれ違いを続けたアテネ五輪の14番と10番 石川直宏の現役引退と松井大輔の海外移籍に想うこと

 8月2日、FC東京の石川直宏が自身のブログにて、現役引退を発表(参照)。同日夕方には、小平のクラブハウスにて引退会見が行われ、ネット中継も行われた。15年8月のドイツ遠征の際にひざに大怪我を負って以来、2年にわたるリハビリを続けてきた上での決断であった。その日、NHKのスポーツニュースでは取り上げられることはなかったものの、FC東京のサポーターのみならず多くの日本のサッカーファンにとっても、非常に感慨深いニュースであったことは間違いないだろう。

 奇しくもこの日、もうひとつ注目すべき発表があった。ジュビロ磐田の松井大輔が、ポーランド2部のオドラ・オポーレに完全移籍すると発表したのである。今季は中村俊輔の加入もあって、出番は激減。出場しても、わずか数分という試合が続いていた。今回の移籍に関して松井自身は「この年齢での海外移籍は、無謀と言われるかもしれないし、失敗するかもしれないが、挑戦すること、挫折することは自分の財産になると思っている」とのコメントを寄せている(参照)

 石川も松井も、それぞれ個人的に思い入れのあるフットボーラーだ。それが今回、同じ日に現役引退と海外移籍が発表されたことで、点と点が線になり、さらに「時代」というベクトルが加わって面となった。これは何か書かなければ、と思い立った次第。同じ「アテネ五輪世代」でありながら、まったく異なるキャリアを歩んだふたりのフットボーラーについて、ここに個人的な想いを書き記すことにしたい。

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