宇都宮徹壱ウェブマガジン

中国足球の「今」を体感する旅 WMフォトギャラリー<西安篇>

 先月27日から30日まで、仕事と取材で久々に中国を訪れていた。27日と28日は、西安で開催された『2017世界球迷大会』(2017 WORLD FOOTBALL FANDOM EXPO)というシンポジウムにゲストスピーカーとして参加(日本からはもうひとり、横浜F・マリノスサポーターの清義明さんも招かれた)。そして29日は広州にて、広州富力と広州恒大による広州ダービーを取材してきた。

 中国サッカーといえば、すっかり「爆買い」のイメージが定着しているのは周知のとおり。とはいえ「カネだけあって文化がないのか」と問われれば、決してそんなことはない、というのが私の意見。今回のシンポジウムでも、そして5年ぶりに取材した中国超級(スーパーリーグ)でも、間違いなくサポーター文化が根付きつつあることを実感することができた。そんな中国足球の「今」をフォトギャラリー形式でお伝えすることにしたい。


 トランジットした北京でちょっとしたトラブルがあったものの、何とか西安に到着。ささくれだった気分ではあったが、こちらの看板を掲げたボランティアの地元女子大生に出迎えられて、ちょっと救われた気分になる。ちなみに「球迷」とはサポーターの意味。

 実は今回の世界球迷大会、「世界中からサポーターを集めて行う学会」という情報以外、まったく何も知らされないままやってきた。とりあえずワゴンバスで50分ほどドライブして会場兼ホテルに到着。中庭の向こう側に中心街が見えるが、今回は観光する時間はなさそうだ。

 ホテルの廊下では早くも、レアル・マドリーのサポーターと地元クラブのサポーターの交流が始まっていた。地元クラブは「陝西長安競技足球倶楽部」と言うらしいのだが聞いたことが無い。それも当然で、中国乙級(3部)のクラブであった。カテゴリーは下ながら、熱い応援で知られているそうだ。

 1日目のシンポジウムが始まる前に、ホテルのレストランで食事。ボランティアの女性に西安の名物を尋ねたところ、小麦粉を使ったものがポピュラーだという。出てきたのが、刀削麺(とうしょうめん)。包丁で削った麺に香辛料がかかっている。非常にもちもちとした食感で気に入った。

 シンポジウム会場に向かう途中、お馴染みの名門クラブのユニフォームやフラッグが飾ってあった。ここまで来ても、まだ私は半信半疑。本当に世界中からサポーターが集まるのだろうか。そもそもなぜ北京や上海ではなく、ここ西安で開催されるのだろうか。わからないことだらけである。

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