宇都宮徹壱ウェブマガジン

夢スタこけら落としで感じたFC今治の「弱点」 優秀な人材を揃えているがゆえのジレンマとは?

 サウジアラビアから帰国後、自宅に18時間だけ滞在してから、すぐさま次の取材に赴くこととなった。9月10日は、FC今治の夢スタ(ありがとうサービス.夢スタジアム)のこけら落としの取材。その後はバスと新幹線を乗り継いで関西に入り、京都、神戸、奈良、そして大阪と3日間で関西の2府2県を取材で行き来した。慌ただしい日々ではあったが、久々に再会できた方々も何人かいて、充実した取材をすることができた。いずれ近いうちに、その成果を披露することにしたい。

 さて今回は、今治の夢スタこけら落としについてである。当日の模様はスポナビのこちらのコラムに書いたとおり。本稿では、スポナビで書ききれなかったことや、少し時間を経て個人的に考えたことを記すことにしたい。というのも、3年にわたる今治取材を続けている身としては、素晴らしい「成果」の向こう側に見え隠れする、依然として改善されない「弱点」に、どうしても視線が向いてしまうからだ。

 成果については、先のコラムでも触れたとおり。自治体に依存することなくクラブが自前でスタジアムを完成させたこと、試合以外での観客を楽しませる「フットボールパーク構想」がある程度は実現できたこと、そして過去のJFLでも例を見ない「満員御礼」となったこと(公式入場者数は5241人)。いずれも素晴らしいことであり、こけら落としそのものは大成功だったことに疑いの余地はない。では、依然として改善されない「弱点」とは何か? 以下、少し寄り道しながら私なりの考えを明らかにしたい。

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