「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【無料記事】【レポート】ヴェルフェたかはら那須 好調のヴェルフェ、開幕から5戦負けなし

 

走り負けないヴェルフェの選手たち

 

50回関東サッカーリーグ(KSL)に参戦するヴェルフェたかはら那須が、前期第5節を終わって依然負けなしと好調だ。

ここまでの成績は、43日の開幕戦で流通経大と11で引き分け、同10日の前期第2節は、前半に退場者を出しながら21でさいたまSCを逆転で破って今季初勝利。同17日の第3節では横浜猛蹴を32で退けて連勝、同24日の第4節はエリースFC東京とスコアレスドローだったものの、51日の県グリーンスタジアム(グリスタ)での第5節ではtonan前橋を10で下し、通算で32分け、2位の東京23FCと並ぶ勝ち点1110チーム中3位につけている。

グリスタでの前橋戦は、キックオフ後から前栃木ウーヴァFCの斎藤翔太ら相手のパワーあるFW陣に押し込まれる場面もあった。しかし、「(相手の攻撃は)想定内のプレーで、自分たちがコントロールした中でのシュートだったのでそれほどの怖さはなかった」(GK小林庸尚主将)としっかりと相手の攻めに対応し、得点を許さなかった。

堀田利明監督が掲げる「守りから入って、マイボールの時間を長くする」というゲームプランは、選手たちにも浸透、そのことが後半15分の先制点に結びついた。DF遠藤雄二からボールを受けた新人のFW神村秀斗がワンタッチでFW森本恭介にパス、森本が落ち着いてゴールネットを揺らして見せた。

終盤に掛け、パワーを利した前橋に攻め込まれ、シュートを打たれるシーンもあったが、体を張った守りで跳ね返し、2試合連続の無失点で試合を終えた。

 

前橋戦を見て「ヴェルフェの選手は本当によく走る」という印象が残った。開幕前のトレーニング時、堀田監督は「昨季までとは比較にならないほど走り込ませた」と言っていたが、その成果はシーズン序盤からしっかりと現れている。

DFは、最後までの相手選手に走り負けすることはなかったし、前橋戦の決勝点は、2人のFWがともに走りながら連係をキープできたことで生まれたもの。サッカーにおいて「走る」ことの重要性を改めて感じさせる一戦であり、全選手走れていることが、負けなしの3位という好調さを支えになっているようだ。

「関東制覇」を目標とし、更に上をも目指すヴェルフェ。5戦負けなしの好成績ながら、チームにはむしろ、「タガを緩めずしっかり締めよう」という雰囲気が漂う。

小林主将は「攻守がバランスよくプレーできているものの、自分たちがやっていることが通用しているとまでは感じていない。今後の上位陣との対戦でどう戦えるかが重要。一戦ずつ勝ちを積み重ねられるように準備したい」と気を引き締める。

堀田監督は「マイボールの時間を長くし、もっとワイドの所でスプリント回数を増やすなどしないといけない。(プレーの中で)行かなきゃいけないいけないところでは、もっと頑張ってほしい。勢いを持って上位との対戦に臨みたい」と選手一人ひとりに、一層の奮闘を期待している。

次のホーム戦は、15日の第7節、矢板運動公園陸上競技場で現在首位のVONDS市原との対戦。午後1時キックオフ。

(文・写真 編集部スタッフ)

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