【無料記事】【レポート】栃木ウーヴァ 失点止まらず、2ndステージ 3連敗。問われる指揮官の手腕。
シーズン後半を迎えても一向に進まないチーム作り
栃木ウーヴァ、止められぬ失点。3日の第18回日本フットボールリーグ(JFL)のセカンド(2nd)ステージ第3節、足利市総合運動公園陸上競技場でFCマルヤス岡崎と対戦したウーヴァは、1-2で敗れ同ステージ3連敗となった。
猛暑の中での一戦となり、この日は前後半の途中にクーリングブレイク(CB)が設けられた。先制点を許して迎えた前半のCB後には、FW菊島卓が難しい角度からゴールネットを揺らし同点としたが、後半のCB 後には「(暑さの)厳しい状況下で我々はスキを見せた」(堺陽二監督)ところを突かれて失点。結局、それが決勝点となった。
この日は、岡崎に先行されながらも最前線でプレーした菊島を中心に、ゴールへ向かう気持ちは感じさせた。その姿勢は同点ゴールにつながった。一方、守りに関しては、目を覆うばかりの状況から脱せないままで、堺陽二監督は「ペナルティーボックス内に侵入された時の対応が余りにも甘い」と顔をしかめるばかり。攻撃では、前期からの通算で19得点、同節までで16チーム中6番目の数字を残しているだけに、ディフェンスの崩壊は非常にもったいない。
果たして、ウーヴァの守りは改善できるのか。選手たちのその試合にかける気持ちの強さ、集中力で相手を如何に上回るかが最も影響するが、加えて、起用選手を選ぶ指揮官の手腕にも目を向ける必要がある。
岡崎戦後の監督会見で、「(プレーについて)強要できていないが、今後突き詰めていかないと見ている人も納得できないと感じた」と発した堺監督の言葉がどうしても気になってしまう。
多くの新戦力が加わって迎えた今季、堺監督は「開幕戦に照準を合わせるのではなく、リーグ戦を戦う中で一つずつ積み上げてチームをつくりたい」などと開幕前に話していた。しかし、シーズン後半を迎えた現在のチーム状態から「堺監督が描いているチーム作りはどれだけできているのだろうか」と強く感じる。30人を超す選手を擁しながら、特にディフェンス面は、未だに選手のやり繰りに四苦八苦しているように映る。
プロ契約で就任した堺監督には、当然、結果が求められる。JFLという舞台では、どのような戦い方をすれば勝利に導けるのかを見極め、自分の描くサッカーができていないのであれば、選手たちに強要する姿勢があってもいいし、そうせずにシーズンを終わってしまったら堺監督自身が後悔することになりかねないだろう。
スタンドには、熱い応援を続けるファンがおり、岡崎戦では「ここはホームだぞ」と『喝』を入れる声が飛んだ。その言葉を耳にした堺監督は「そういうことを言わせてしまうようにはしたくない」と感じたという。であるなら、ウーヴァの試合を見続けるファンが納得できるサッカーを見せられるように、堺監督には強要すべきところは強要しながらチームを早急に立て直し、低迷する現状を打破することに全神経を傾けてもらいたい。
(文・写真 永島一顕)
◆FCマルヤス岡崎戦の出場選手
GK㉒花田 力
DF⑦岩城 正明
DF⑬石堂 圭太
DF⑭岡本 洵
DF㉝鈴木 翼
MF⑩内山 俊彦
MF⑳松田 悠佑
MF㉖鈴木 健児→89分MF⑲松野 大輝
FW㉗平井 晋太郎→72分FW㉘宮下 周保
FW㉛畦地 健太→86分FW㉕若林 学
FW㉟菊島 卓
〔得点者〕
29分 菊島卓