「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【無料記事】【コラム】栃木SC グリスタに上がった熱気球に思う。

「筋トレ」を続けよう。

 

野木に熱気球の世界チャンピオンがいるなんて知らなかった。

3リーグ第23節栃木SC対ガンバ大阪U-23の試合会場、グリスタのサブグラウンドで野木町の熱気球に乗れるイベントが開催され、熱気球のパイロットとして熱気球世界チャンピオン(世界ランキング1位)の藤田雄大さん(野木町出身)が来場した。

 

栃木SCのクラブ内でホームゲームイベントの企画出しをする際、あるクラブスタッフから「野木にこんな人がいますよ」という感じで提案され、野木町民デーに合わせて実現に至ったようだ。今までにないイベントだったので興味深かった。

 

当日はグリスタサブグラウンドを使用し、家族連れなどに盛況だった模様。「最初は慣れるまで怖いけど、慣れると気持ちがいいもんですね」と栃木SCのサポーターにも好評だったようだ。

 

いい企画を立てて表現する、という行為は、これは文章表現でも何でも同じだが、第一にリサーチ力が大事。それがすべてと言ってもいいかもしれない。文章表現に置き換えれば、パソコンの前に座ったときにはもう勝負はついている。どうリサーチし、企画の切り口の細部を詰められた時点で(そこに取材したときに思いもよらない驚きがあると原稿が瑞々しくなっていいのだが)、原稿の良し悪しは8割方決まるものだ。あとの2割が経験とか技術とかで補うという感じだろうか。

 

リサーチ力、ビジネス用語でいえばマーケティング。栃木SCに置き換えれば、いかに栃木を知ることができるか。人はまず知ることで興味を持ち、深く入りこむきっかけを自分自身のなかに作ることができる。今後クラブは本腰を入れてマーケティングに力を注ぎ、引き続き、地域や行政に入り込んだ結果をホームゲームイベントなどで表現してほしいものだ。

 

企画を立て、営業等の関係各所と調整し、いざ実行に移すまでのプロセスは大変だろうと思う。試合当日もホームゲームの運営業務が多岐にわたり、それを少人数でこなすなかでそれなりの規模のイベントを実行に移すのは大変だろうと思う。

だけど、イベント目白押しで盛況を博す川崎フロンターレ、その仕掛人として有名な天野春果サッカー事業部プロモーション部部長に言わせればそれは「筋トレ」のようなもので、毎ホームゲームごとに結構しんどい思いをしつつも何とか繰り返しながらだんだんと強くなっていくしかない。気づいたときにはこんなことまでできるようになったんだ、というふうにならないといけない。「フロンターレは特別だというけど、昔はフロンターレもできなかった」と天野さんは話している。

 

今季のホームゲームは残り3回。来季も視野に入れながら、トップチーム同様、チャレンジ精神を忘れずに、コツコツと”筋肉の層”を分厚くしていってほしい。

 

最近の川崎フロンターレ天野春果サッカー事業部プロモーション部部長の記事をご紹介。

宇宙にゴジラ、レーシングまで。川崎フロンターレに所属する“Jリーグ最強の企画屋”

http://news.yahoo.co.jp/feature/370

イベントエリアからも見える熱気球。

イベントエリアからも見えた熱気球。

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