「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【無料記事】【レポート】栃木ウーヴァ 開幕戦で強豪相手に善戦、見せた昨季との違い。第19回日本フットボールリーグ(JFL)

(文・写真 永島一顕)

 

ウーヴァ、シュート数で上回るも開幕戦を飾れず

 

19回日本フットボールリーグ(JFL)は5日開幕。8季目の戦いに挑む栃木ウーヴァFCは、栃木市総合運動公園陸上競技場でのファースト(1st)ステージ第1節でソニー仙台FCと対戦、シュート数で相手を上回ったものの、ゴールを奪うには至らず01で敗れ、ホーム開幕戦を飾ることはできなかった。

 

低迷したままシーズンを終わった昨季の巻き返しを図るべく迎えた2017年開幕戦は、応援席に昨季まで選手たちを鼓舞したサポーターの姿もなく、選手名の書かれた横断幕もほぼ皆無で、ホーム戦としてはちょっとさびしい雰囲気となった。それでも、熱心なウーヴァファンがスタンドに詰めかけ、温かな声援を受けながら、選手たちはピッチに立った。

前週、関東リーグ1部のヴェルフェたかはら那須とのトレーニングマッチでは、その内容に不安が感じられた。ただ、この日の戦いぶりからは、「勝つこと」への強いこだわりが伝わってきた。

試合は、昨季11連勝をマークした2ndステージで2位の実力チームを相手に苦戦が予想されたが、立ち上がりから一進一退の攻防を展開した。ウーヴァは、新加入のDF鵜飼亮多のロングスローを生かすなどしてゴール前に攻め込むシーンを演出。しかし、ネットを揺らすまでには至らず、迎えた前半40分、「(守りの)人数がいたのにボールに行けず、誰が(ボールに)行くのか迷いが生じた」(MF内山俊彦主将)ところを突かれ、ソニー仙台に先制点を許してしまった。

1点追って迎えた後半、内山主将がシュート3本を放つなどウーヴァは積極的にゴールを狙い、選手交代などを利して追いすがったウーヴァだったが、必死に守る相手の最終ラインを突破することはできず、無得点のまま試合を終わった。

 

次戦は12日、栃木市総合運動公園陸上競技場でヴァンラーレ八戸と13時キックオフ

 

ウーヴァは、ホーム開幕戦を飾ることはできなかったが、先制されながらも気落ちすることなく、相手ゴールを狙っていく姿勢は見る者にも伝わってきた。今季初戦で、昨季からの変化が感じられたことは明るい材料と言っていい。それは、勝利へこだわる意識がチームに浸透していることの証ともとれるのではないか。

 

試合後、岩原克彦代表は「勝利することはできなかったが、今までのウーヴァから変わったことを見せられたと思う」とファンにあいさつし、「感動を与えられる試合ができるように精進していく」と誓った。

堺陽二監督は「相手がかなり仕上がっているのは分かっていた。入念な準備をして臨んだが、ボールホルダーに対してアプローチに行けず、そのスキを突かれて失点し、うちは、得点機にゴールに押し込めなかった」と敗戦の弁。ただ、昨季とは違った手応えも感じたようで「球際などに甘さがあったものの勝負にこだわり気持ちを出してプレーしていたので及第点をあげたい。今日出た課題を改善し、相手ことを考えながら自分たちのストロングの部分をぶつけていき、今後の試合に立ち向かっていく」。内山主将も「一人ひとり『勝ちたい』という気持ちが強い。応援して下さる皆さんの期待を裏切らないようにしたい」と話し、下位低迷からの脱却に意欲を見せた。

 

次戦は12日、同競技場での同ステージ第2節でヴァンラーレ八戸と対戦する。キックオフは午後1時。

 

◆ソニー仙台FC戦の出場選手

GK㉑戸谷 飛鳥

DF②鵜飼 亮多

DF⑤石堂 圭太

DF⑭岡本

DF⑰鳥山 祥之

MF⑦松田 悠佑

MF⑩内山 俊彦

MF㉛畦地 健太→56FW㉓吹田

MF⑳松田 康佑→84FW⑱宮下 周歩

FW㉕若林

FW㉗村岡 拓哉→74FW⑳松野 大輝

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