「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【レビュー】栃木SC J3開幕節FC琉球戦 足りなかったのはゴールだけ。

2017治安田生命J3リーグ第1節
2017年3月12日13時キックオフ 栃木県グリーンスタジアム
入場者数 4,812人
天候 晴れ、無風
気温 15.4℃
湿度 22%
ピッチ 全面良芝、乾燥

栃木SC 0-0 FC琉球
(前半0-0、後半0-0)
得点者:なし

<スターティングメンバー>
◆栃木SC
GK 15 ジョニー レオーニ
DF 4 広瀬 健太
DF 5 尾本 敬
DF 17 福岡 将太
MF 38 宮崎 泰右
MF 2 西澤 代志也
MF 16 仙石 廉
MF 28 安藤 由翔
FW 21 牛之濵 拓
FW 19 服部 康平
FW 14 西谷 和希
控えメンバー
GK 1 竹重 安希彦
DF 18 坂田 良太
DF 7 菅 和範
MF 10 杉本 真
MF 11 岡﨑 建哉
MF 6 古波津 辰希
FW 8 廣瀬 浩二
監督 横山 雄次

70分 宮崎泰右→岡崎建哉
78分 牛之濵拓→廣瀬浩二
85分 西澤代志也→杉本真

「楽観はできない」シュートを決め切る精度

今季のJ3開幕節で栃木が放ったシュート数は14本。これは開幕節の全試合中、最も多い数字だった。

他会場で11本のシュートを放った鹿児島は藤枝に5対0で快勝している。

 

栃木が放った14本のシュートのうち1本でも決め切っていれば、2対0、3対0の完勝劇となった可能性もある内容だった。

 

14本のシュートのうち、決定的な決定機と言えるシーンは、10分と56分だっただろうか。

10分、左サイドの安藤由翔からトップの服部康平へミドルパス、これを服部がポスト役となり、落としを受けた西谷和希が近くにポジションをとっていた牛之濱拓とワンツー、DFラインの背後へ抜け出してからシュートを放つも、相手GKにセーブされた。このこぼれ球に牛之濱が詰めたが左に外した。

 

56分、左サイド深い位置から福岡将太がロングスロー。服部がゴールエリア内のニアサイドで競ったボールがそのまま誰も触ることなくファーサイドへ流れていき、最後は牛之濱が押し込んだが、相手GKがゴールライン上で片手一本で防いでゴールならず。

 

いずれも決め切りたいシーンだった。

 

この日は服部のポストプレーの勝率がかなり高く、また、服部と西谷と牛之濱ら前線3人の距離感、3人の補完関係が抜群によかった。この点、昨季の開幕節、3バックを採用したときの大石治寿、廣瀬浩二、佐々木勇人の前線3人の関係性は「距離感が悪い」と攻撃機能不全を嘆いたものだったが、今季のそれは比べようもないほどよかった。

 

3人だけの関係でチャンスを作れていただけに、服部から落としてもらったボールで前を向いて決定機を迎えた西谷か牛之濵がゴールを決め切れていれば、かなり優位に進められた試合だった。

 

もっとも、プレシーズンからすべてのトレーニングマッチを取材してきた立場からすれば、同じような光景は何度も目にしてきている。決め切るという精度やパワーを不安視していたものが表面化しただけで、特段驚きはない。選手たちはプレシーズンから最後の詰めについて危機感を抱いてきたが、今後も現実を受け止めて真摯に向き合っていくしかない。

 

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